三浦瑠麗“再婚”をまったく考えない理由「私が娘に残すものを、ほかの人に割くのは申し訳ない」
TOKYO FMで月曜から木曜の深夜1時に放送の“ラジオの中のBAR”「TOKYO SPEAKEASY」。今回のお客様は、乙武洋匡さんと三浦瑠麗さん。ここでは“再婚”や“遺産”など、今後の人生のことについて語りました。
◆三浦「娘がいるから…」再婚を考えない理由
三浦:年齢の話でいうと、我々はそれなりに中年になってきましたけど、大体40歳半ばを過ぎると“俺が生きてきた意味って何なんだ!?”とか“私が(人生を)捧げてきたこの家族は本当に意味があったの?”みたいに感じる人もいるじゃん? 乙武:うん。 三浦:どうですか? そういう“中年の危機”的なことは。 乙武:“こんなはずじゃなかった”感はめちゃくちゃあるよ。どうですか? 三浦:私は“中年の危機”が来る前に、関係のないところから別の危機が来たからね。 乙武:はい。 三浦:だから“尽くしてきた意味”を問われて無力感に襲われることはないけど。“中年の危機”ってやっぱり、それなりに順調に生きてきた人の悩みだと思うし。 乙武:それはそうだね。最近“自分の人生こんなはずじゃなかったのに……”って思ったこともない? 三浦:ないかな。それって、私の場合でいうと“結婚相手のチョイスを間違えたと思うか否か”を聞くことになっちゃうでしょ? 乙武:そうかなぁ? どんな人と結婚しても予測できないことは起こるし、その人自身の変化、さらには、その人の変化による自分の変化とかも、結婚するときには予測できないじゃん? 三浦:そうだね。 乙武:そういう意味では“この人と結婚したから”ではなく、その人を選んだのも自分だから、それも含めて「自分の人生こんなはずじゃなかったのに」っていうのって……? 三浦:私はないなぁ。ただ例えば“これは彼と21年間生活したなかで編み出されてきた、わが家でだけ通じる言葉”みたいなものが生活のなかでふと出てきたときに、ちょっと感じるところはあるよね。でも、それぐらいかな。 乙武:俺は離婚してもうすぐ8年で、今のところ“もう1回結婚しよう”という気にはなっていないんだけど、当然、今は思わないでしょ? 三浦:娘がいるから、もう結婚はしないよね。 乙武:“娘がいるから”は関係あるの? 三浦:あるよ。だって、日本の民法ってめっちゃ押しつけがましくて、アメリカだったら遺言で相続分とかを按分(あんぶん)できるけど、日本は私が死んだら(もし再婚した場合、その相手に)ほぼ無条件に半分持っていかれるわけで、それは娘に悪いじゃない。だから結婚はしないよね。 乙武:逆に“財産を娘に残したい”っていう思いはあるってこと? 三浦:私が彼女に残すものがあるとすれば、それをほかの人に割くっていうのは申し訳ないなと思う。 乙武:自分は真逆で、離婚する前から“子どもに財産を残したい”っていう考えがあまりなかったというか、むしろ1円も残さないほうが子どものためかなって。 三浦:それは……ちょっと特殊じゃないかな? 乙武:それが少数派であることも理解しているけど。 三浦:少数派っていうか、あなたは障がいを負いつつも“自分の実力でここまでやってきた”っていう自負があるわけよ。自己実現に振り切ることが責務、みたいなものね。 乙武:そうかもね。 三浦:これまで子どもを育てた時期も、政治に挑戦してきた時期もあってさ、結構いい人生で“元気な壮年”って言われる時代をこれから迎えようとしているわけじゃないですか。だから、それはまたアナザーフェーズで考えたらいいと思うよ。 ところであなたにとって“政治から離れるか離れないか”っていうのってまるで離婚と一緒だね。「協議期間中は落ち着かない」っていう意味で(笑)。 乙武:(笑)。「もう辞めた!」って心底思えちゃえば、楽になれるんだろうなとは思うけど。 三浦:まぁ、それも人生だから。 (TOKYO FM「TOKYO SPEAKEASY」放送より)