40代からの「生理の変化」には要注意! 更年期にむけた生理との向き合い方を産婦人科医がアドバイス【生理と加齢の関係】
加齢とともに大きく変化する生理の症状には病気が隠れていることもある。婦人科医でスポーツドクターでもある高尾美穂先生に今回伺ったのは、加齢と生理について。生理がもっとも大きく変化する40代後半から50代までを快適に過ごすために、30代までにしかできないこととは? 【写真】更年期の体重増加を防ぐために必要な6つのこと ▼高尾 美穂/産婦人科専門医・医学博士・婦人科スポーツドクター 女性のための統合ヘルスクリニック、イーク表参道副院長。文部科学省・国立スポーツ科学センターの女性アスリート育成・支援プロジェクトメンバー。一般社団法人アスリートヨガ事務局理事、ドームのアドバイザーリードクターも務める。
加齢による生理の変化には病気の可能性も
「生理の量が減ることについては、ある意味、閉経に向かって起こる自然の変化と言えるでしょう。一方で、生理の量が増え、生理痛も激しくなる人もいます。その場合、子宮内膜症や子宮筋腫、子宮腺筋症など病気の可能性が疑われます。生理の量が非常に増えますので、貧血になり、日常的にだるさを感じる方もいます」
ピルでプレ更年期も快適に過ごせる
「私たちのカラダは変化に弱い」。この前提に立ち、できるだけ変化を小さく抑えることが、生理周期だけでなく、更年期を迎えるにあたっても大切だという。 「生理を考えた時、一番困る時期がいつかというと実は 40代半ばから50代の閉経まで。その時期より前からピルによって上手に生理をコントロールできていると、この期間も比較的ラクなのですが、月経困難症やPMSを抱えているのに無防備のまま過ごしてこの時期を迎えてしまうと、相当ツライ思いをする方が少なくありません」 ▼ピルの選択肢は30代までに 更年期の快適度もあげられるピルの継続的な服用だが、注意点がある。ピルは、40代に入ってから飲み始めることは勧められないのだ。 「ピルで最も警戒しなければいけない副作用は、血栓症です。そのリスクは、ピルを飲み始めた時期に最も高まることがわかっています。また、年代が上がるとリスクも高まります。つまり、飲み始めの時期を安定して過ごせれば、閉経を迎えるまで続けられますが、40代に入って初めて使ってみたいと思っても、おすすめできないんです」