中国・北京で工場稼働…トヨタ、商用車向け燃料電池生産
トヨタ自動車は商用車向け燃料電池(FC)システムを生産する新工場を中国・北京市で開設し、稼働を開始した。燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」のFCシステムをベースに商用車向けに応用した機構を生産する。第1期として生産工場や検査棟、開発棟などを整備し、年間の最大生産能力1万台を確保する。第2期は2026年に着工し、生産能力を強化しながら市場競争力を高める。 【写真】北京市で稼働を開始したトヨタの燃料電池生産工場 新工場はトヨタが現地パートナー企業と設立した合弁会社「華豊燃料電池(FCTS)」と「連合燃料電池システム研究開発(FCRD)」が手がける。トヨタのFCの研究開発と生産専用工場として稼働。総面積は11万3000平方メートルで、このうち第1期に完成したのは4万4000平方メートル。中国での二酸化炭素(CO2)排出量の削減やカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)に向けて、水素技術の普及と応用を加速する。 FCTSはトヨタと中国の燃料電池システムメーカー「北京億華通科技」が21年に設立したた。FCRDは20年の設立で、トヨタや中国第一汽車、広州汽車集団など自動車メーカー6社が商用車用のFCシステムの開発で連携する。 トヨタの技術をベースにFCRDがFCシステムの開発を担い、FCTSはFCシステムなどの生産・販売を担当する。中国では商用車を中心にFCVの市場が拡大しつつあり、自動車業界を挙げてFCV普及の基盤づくりに取り組んでいる。