エピソードで紐解く“皇帝”ベッケンバウアーの素顔【現地発】
相手を怒らせずに歓待の印を突き返す
若かりし日のフランツ・ベッケンバウアー。(C)Getty Images
2024年1月7日、ドイツサッカー史上最大の功労者が天国へと旅立った。カイザー(皇帝)と称されたそのベッケンバウアーの功績はあまねく知られるところ。では、その人物像は? 筆者が忘れえぬエピソードを紐解きながら詳らかにする。(文:ベンヤミン・ホフマン/訳:円賀貴子 2024年2月1日発売ワールドサッカーダイジェスト『ザ・ジャーナリスティック ドイツ』を転載) ―――◆―――◆――― フランツ・ベッケンバウアーが1月7日に亡くなった。“カイザー”(皇帝)の功績については改めて掘り下げるまでもないだろう。革新的なリベロとして、EURO1972と西ドイツ開催だった74年ワールドカップ(W杯)を制覇。バイエルン・ミュンヘンでは71-72シーズンからのチャンピオンズカップ3連覇の原動力となり、バロンドールには二度輝いている。90年のイタリアW杯では母国を頂点に導き、選手と監督として世
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