国産初の双発ジェット機「C-1」入間ラストフライト いつも通り観客に“お腹”を見せて別れ!
2024年度中に全機が退役予定の国産輸送機
航空自衛隊は2024年11月3日に埼玉県の入間基地で行われた「入間航空祭」で、 国産初の双発ジェット機であるC-1の31号機がラストフライトを行いました。 【最後の仕事…!】これが、放水のアーチで迎えられるC-1です(写真) C-1は1970年11月12日、川崎重工岐阜工場で初飛行に成功し、翌1971年2月14日に航空自衛隊に引き渡され、初飛行から5年後の1975年4月1日より実運用を開始しました。 当時の政治的事情により、航続距離こそあえて短く設定されたものの、同機は、ジェットエンジンと20度の後退角を持つ高翼構造の主翼を備えたことなどから優れた高速性を持つほか、独自開発の高揚力装置の装備などで高いSTOL(短距離離着陸)性能も有します。また全長29.0m、全幅30.6mの機体サイズのわりに、直径3.8mという太い胴体を持つことで、様々な物資の積載に柔軟に対応できる能力を獲得しています。 さらに、輸送機としてはかなり高い機動性を有しており、一説によると左右60度まで機体を傾けた(バンク)状態で旋回することが可能といいます。この能力を活かし、航空祭などでは、戦闘機や練習機などに負けない機動性を見せたこともあります。 今回のフライトでもその機動性を活かし、ラストフライトとなった31号機が観客に向かって機体の腹部を見せて飛行したり、急旋回するなどして楽しませました。そして、消防車両による敬意を表した放水「ウォーター・サルート」をくぐり、最後の任務を終えました。 なお、C-1は2024年度中に全機退役することが決まっており、入間基地では公の場で同機が飛行するのは今回が最後となります。また、会場には、銀色塗装のC-1試作1号機も登場。大きな注目を集めました。
乗りものニュース編集部