「AIデジタル教科書」来年3月導入 生徒のレベルに合わせた授業支援へ=韓国
【ソウル聯合ニュース】韓国教育部が「人工知能(AI)デジタル教科書」の検定・修正作業を今月29日までに完了し、合格したものを各学校に来月配布することが、11日までに分かった。 学校側はAIデジタル教科書を検討した後、授業で使用するものを科目別に選定し、2025学年度の新学期から実際の授業で使用する。 教師は来年3月から紙の教科書とAIデジタル教科書を併用する。対象は小学3~4年生、中学1年生、高校1年生で、教科は英語・数学・情報の3科目。 AIデジタル教科書の導入は、生徒の能力とレベルに合った学習の支援を主な目的とする。これまでのように生徒全員が同じ進度で授業を受けるのではなく、各自の学習状況などを多角的に診断・分析し、その結果に基づいて教師が授業プランを立てる。 例えば、分数を学ぶのに苦労している生徒に対してはより簡単なレベルの問題から難易度を上げていき、現在の進度に追いつけるようにする。一方、学習ペースの速い生徒はより深い思考を要求する学習を行えるようにする。ただ、先行学習は行わない。 一方、デジタルへの過度な依存、地方教育財政の悪化、地域ごとの格差などの問題を巡る議論も続いている。教育部は、AIデジタル教科書の端末は有害なメディアをブロックするよう設定するというが、インターネットへのアクセスを根本的に防ぐことは難しいとの懸念がある。同部の関係者は「AIデジタル教科書は生徒の能動的な参加を前提とするため、受動的に映像を見るだけの他のデジタルメディアとは完全に性格が異なる」として、デジタルへの過度な依存は起こらないと自信を示した。 しかし、ただでさえ深刻な青少年のデジタル依存を加速させる可能性があるとの指摘が出ており、劣悪な地方教育財政や教師の経験不足を憂慮する声も上がっている。 地域ごとの環境や教育庁の負担などを考慮し、AIデジタル教科書の導入科目は26学年度も25年度と同様に3科目となる可能性もある。
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