再生回数3億回超、マカロニえんぴつのはっとりが語る「『なんでもないよ、』はラブソングのタブーに触れた」
コロナ禍まっただ中の2020年秋にメジャーデビューした、一風変わった名前のバンド「マカロニえんぴつ」。思うようにライブができない状況ながら、「はしりがき」(映画『クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園』主題歌)、「ハッピーエンドへの期待は」(映画『明け方の若者たち』主題歌)、そして、ストリーミング累計再生回数3億回を超えた「なんでもないよ、」などをヒットさせてきた。今やバンドシーンを代表する存在となった彼らの軌跡を、ボーカルとギターを担当し、バンドの中心でもある「はっとり」(29)に聞いた。(取材・文:森朋之/撮影:堀内彩香/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
音楽の夢を諦めた父が応援してくれた
2023年1月7、8日、マカロニえんぴつは埼玉・さいたまスーパーアリーナのステージに立っていた。2日間で計3万人のファンを前にして、メンバー4人は、「なんでもないよ、」「恋人ごっこ」などのヒット曲を次々と演奏。バンド結成10周年を締めくくる全国ツアーのファイナル公演を見事にやり遂げた。 バンドの中心は、メインソングライターであり、ボーカルとギターも担当する「はっとり」。その名前は、彼が敬愛するバンド・ユニコーンのアルバム『服部』(1989年)に由来する。はっとりが生まれる4年前にリリースされた作品だ。
「中学生の頃からサンボマスター、スキマスイッチなどを聴いてたんですが、音楽専門チャンネルでたまたまユニコーンが紹介されていて、一発で好きになりました。特に印象的だったのが、『開店休業』という曲のMV。バンド結成から解散までのヒストリー映像なんですが、『バンドを生業(なりわい)にするって、カッコいいな』と憧れてしまって。『バンドはいつか終わる』というはかなさも感じてましたね。まあ、ユニコーンはその数年後に復活するんですが(笑)」 高校時代から楽曲を作りはじめ、バンド活動も行っていたはっとりは、卒業後、音楽大学に進学。その際、父親と「音大に行くならプロになれ」と言われていたという。