よかれと思って・・・大学受験「親が原因で不合格」になった3例を紹介 基本的に親は口出ししないほうがいい理由
受験が近づくにつれて、さまざまな不安や焦りを抱える受験生や親は多いと思います。それらを解消するためにはどうしたらよいのか。大学入学共通テストまでの毎日連載「現役東大生が解決! 受験お悩み相談室」では、偏差値35から東大合格を果たした漫画『ドラゴン桜2』(講談社)編集担当の西岡壱誠氏が率いるカルペ・ディエムのメンバーが、数多くの受験生を指導した経験を基にした解決策を伝授します。【連載第20回】 【漫画】「ドラゴン桜」で「3人兄弟のうち、聞き分けのいい上の2人と聞き分けの悪い三男坊、どの子が将来一番活躍するか」を解説したシーン ■「子どものため」が裏目に出るパターンが多い
いよいよ受験シーズンが到来し、受験生の子どもを持つ家庭はドキドキなのではないでしょうか。どの親御さんもお子さんに対して愛情を持っているからこそ、受験についてつい口出ししてしまう人も多いでしょう。 そんな中、親御さんが介入してしまったことで不合格になってしまうパターンは多いです。親御さんが子どものためにやってあげたことが裏目に出るケースが毎年あるのです。今回は、僕たちが見てきた親御さんが不合格の原因を作ってしまったパターンについてお話ししたいと思います。
①志望校を下げさせて不合格に 最もよくあるのが「親が子どもの志望校を下げてしまうパターン」。共通テストの結果が思ったよりも伸びず、「このままだと第1志望は難しいだろうから、第2志望の大学に下げたほうがいい」と言って、無理矢理に近い形で志望校のレベルを下げさせるパターンです。 自分が教えていた生徒の例でいうと、共通テスト後に親御さんがいきなり「志望校を下げさせたい」と言い出しました。「やはり東大は難しいので、東北大や北海道大などにさせたい」と。共通テストの結果があまり伸びなかったことから、そうさせたいというご相談でした。
僕は「今まで東大の対策をしてきたのに、今から急に東北大や北大の対策をしたとしても、合格は難しいのではないか」という話をしましたが、親御さんは聞く耳を持たず、子どものほうは「親がそう言うなら仕方がない」というテンションでした。結局、志望校を下げて受験をしましたが不合格になり、浪人することになりました。 僕の分析としては、親が「志望校を下げなさい」と言った瞬間から、子どもの受験ではなく「親の受験」になったのではないかと思います。