退職後もエネルギッシュに生きるための人生観 “ひとやま主義”から“連峰型”へ【テレビ寺子屋】
◆深い谷は人生の武器になる
エネルギーカーブを描いてみると、谷が深い方が人間の器を広げるような気がしませんか? どういうことか。人生の前半において谷が深いほど、後半の人生のパワーとして逆転していくということがわかります。 谷の部分が深ければ深いほど話のネタをいっぱい仕込んでいるようなものなので、それをユーモアをもって話せれば友達が集まってくる、エネルギーが集まってきます。 逆に山の話ばかり、自慢話ばかりみたいな人は、おそらく友達がサーッと引いていきます。
◆人生の山はたくさんあるといい
もう一つ、すごく大事なことがあります。多くの人が人生を一つの山という感じでイメージしています。「30代から50代が仕事盛りで60代以降は下っていくだけ」というイメージをもっている方には、そういう人生が訪れると思います。 その人生観はたった今、捨ててください。60代からでもまだ登る裾野が絶対にあるはずです。 仕事など自分の主軸に取り組んでいる最中に、さまざまなコミュニティにも参加してください。 コミュニティに加わって自分の居場所ができるのに5年や10年はかかりますから、25歳から55歳ぐらいまでに裾野を4、5本作っておくというのが、その後の人生の山並みを豊かにするために非常に大事なことなのです。 被災地支援のコミュニティでもいいし、テニスや囲碁でもいい。どんどん参加し乗り換えていく。 「富士山ひとやま主義型から八ヶ岳連峰型の人生観へ」ということを心掛けていただくと、人生が豊かになるのではないかと思います。
藤原和博:1955年生まれ。1978年東京大学経済学部卒業後、リクルート入社。2003年より5年間、東京都内では義務教育初の民間人として、和田中学校校長に。著書「坂の上の坂」は12万部を超えるベストセラー。 ※この記事は10月13日にテレビ静岡で放送された「テレビ寺子屋」をもとにしています。
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