<上海だより>一人勝ち“中国スタバ” 海外初 焙煎所併設大型店も進出予定
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近年の日本ではサードウェーブ・コーヒーの台頭、ドトールなど競合のリニューアル戦略もあり、スターバックスもこれまでのような圧倒的なブランド感を維持するのは難しくなってきました。一方で、中国ではスターバックス圧勝とも言える快進撃が続いています。 上海だより 2014年には本場シアトルで焙煎工場を備えた「Starbucks Reserve Roastery and Tasting Room」がオープンし、当初の国外第1号店は日本でという噂もありました。しかし、今年の5月にはその予定地は上海で、2700平方メートルという大規模店を2017年末にはオープンする、と公式に発表されました。先に、焙煎所併設型の大型店2店舗目をマンハッタンに2018年にはオープンする、という計画が発表されていましたが、上海出店の発表を受けて実質の2号店オープンは上海が先行ということになりそうです。
店舗数の変化を見ても、中国スターバックスは想像を絶する出店ペースで展開しています。2011年時点では496店舗だった中国国内の店舗数も、現時点で既に2100店舗を超えており、上海だけでも300店舗を超えています。2011年時点の日本の店舗数が約900店舗で、現在は約1200店舗ですから、その成長率の差は著しいです。 中国スターバックスは、さらに今後5年間の計画においては毎年500店ペースでのオープンを予定しており、2019年には3400店舗を超えると想定されています。ハワード・シュルツはかつてインタビューにおいて、「中国においてモーニングコーヒーの文化を定着させる必要があるが、中国には朝ご飯に豆醤と揚げパンを食べる文化が根深い」ともコメントしており、上海を中心に地方都市においても朝カフェ文化がどこまで根付いていくのかが、中国スターバックスのさらなる躍進の鍵となるでしょう。
ちなみに、日本のスターバックスが最近展開している「ネイバーフッド・アンド・コーヒー」(旧称・インスパイアード・バイ・スターバックス)のような独特の店舗展開こそないものの、「コンセプトストア」に類する「スターバックス・リザーブ・ストア」は積極的に展開されています。 日本のコンセプトストアは全国で13店舗のようですが、中国では既に43店舗もあり、上海だけで6店舗、北京にはなんと8店舗もあります。地方都市でも四川省成都のコンセプトストアなどは、古い建築様式とモダンなデザインを融合させ、非常に独特な店舗があります。