<上海だより>一人勝ち“中国スタバ” 海外初 焙煎所併設大型店も進出予定
上海は旧フランス租界が広域に広がっており、洋館が特色でもありますので、日本の神戸北野異人館店のように大きな洋館をリノベーションしたスターバックスもあります。また、オープン自体は2014年なのですが、万博エリアに実験店舗として開店し、これまで大きなプロモーションは行われてこなかった店舗が最近になって「上海で最も美しいスタバ」と注目を集めています。 2面に渡って全ガラス張りで構成された広々とした空間に、座席密度も広く保たれており、美しいだけでなく快適な環境が評判です。万博地区の西側に位置しているのですが、アクセスは決して良いわけではなく、公式に宣伝されていないため来店者数も他店ほど多くありません。
中国ではスターバックスの他にも、イギリス系のコスタ・コーヒー、香港系の太平洋珈琲(パシフィック・コーヒー)などが主要な競合店として展開していますが、スターバックスが大きな差をつけて一人勝ちの状態です。また、個人経営のこだわりを持ったカフェも近年は街中で続々とオープンしています。チェーン店では満足できない感度が高い層の需要も高まっており、一部の店では空席がないほどの盛況ぶりです。
この数年、大きい視点での経済成長速度などは以前より落ちている中国ですが(成長自体は継続しているのも事実です)、一般の人々の生活における変化が重要な焦点となっています。スタバに先行して中国に進出していたアメリカブランドのマクドナルドやケンタッキーはその需要の変化の影響を受け、業績は既に横ばい状態です。その中で勢いを増している中国スターバックスの今後には注目です。