【POG】「1週前としては理想的」アルテヴェローチェG1Vへ(栗東発)
競馬新聞「馬サブロー」が誇るPOGマスター、塩手智彦(栗東)と木村拓人(美浦)がお送りするPOG情報。東西のトレセンでつかんだ情報をお伝えします。 【馬体診断】2歳女王決定戦!阪神JF有力馬の評価をチェック 11月30日の京都新馬戦(芝1800m)はリバティアイランドの半妹マディソンガール(牝、中内田)が好位追走からメンバー最速の上がり3F33秒0の鋭い脚を繰り出してV。良血馬らしい素晴らしい勝ちっぷりだった。姉とはタイプは違うが、能力の高さを十分に示した一戦。今後の成長が非常に楽しみだ。 同日の京都未勝利戦(芝1400m)はオークス馬ダイワエルシエーロの子スライビングロード(牝、福永)が中団追走から直線で内を突くと、1頭だけ次元が違う末脚で突き抜けて2馬身差V。鼻差で敗れた新馬戦のうっぷんを晴らすような強い勝ちっぷりだった。母とは脚質が違うが、素晴らしいポテンシャルの持ち主で、今後も注目していきたい一頭だ。 1日の中京未勝利戦(芝1600m)では高橋亮厩舎ゆかりの血統馬ラージギャラリー(牝)が逃げ切りVを決めた。師は「ハナへ行ったこともあり、道中は物見をしてフワフワしていたが、それでも勝ち切ってくれた。勝ち時計は同日の2歳1勝クラス(こうやまき賞)よりも速かったからね。母とタイプが違うけど、メンバーがそろっていたなかで、いい内容で勝ってくれた」と勝ちっぷりを評価。「切れる感じではなく、自分のリズムで運べる形が良さそう」と分析した。次走は未定。 今回は朝日杯FS(15日・京都、芝1600m)を予定する有力馬3頭の1週前の様子をお伝えしたい。 まずは新馬-サウジアラビアRCを連勝中のアルテヴェローチェ(牡、須貝)から。1週前の4日は新馬戦で勝利に導き、今回も手綱を取る武豊Jを背に、栗東CWで僚馬ユティタム(4歳オープン)と併せ馬。首差遅れたが、長めからしっかりと脚を伸ばし6F80秒1-35秒8-11秒1の好時計をたたき出した。師は「1週前としては理想的で言うことない。あとはレースまでこのいい状態をキープするだけ」とG1獲りへ手応えをつかんでいる様子。前走の内容については「鞍上(佐々木J)がうまく乗ってくれた。ゲートの出は速かったが、うまく我慢をさせて、しまいを生かす競馬できっちり決めてくれた。道悪馬場にもうまく対応してくれた」と高く評価した。「前走の内容から馬場状態は少しくらい悪くなっても対応できると思うし、右回りもデビュー戦で勝っているからね。楽しみ」と大きな期待を寄せた。 デイリー杯2歳S2着のドラゴンブースト(牡、藤野)は引き続き田口Jで参戦。北沢助手は「まだ子どもっぽいところはありますが、徐々に大人びてきた感じで雰囲気はいいですね。初戦は出遅れたけど、その後に行ったゲート練習の効果もあって、ここ2戦はスムーズなスタートを切れています。まだ成長過程で、良くなるのはもう少し先だと思いますが、ひと雨降って時計がかかってくれれば」と見通しを語った。 こうやまき賞5着のダイシンラー(牡、梅田)は出否未定だが、出走してきた際は新馬戦で勝利に導いた岩田康Jで挑む。前走について、師は「スタートが決まっていい位置で運べましたが、道中は(ハミを)少しかんでいましたし、口向きの難しさも見せていました。全体的にちぐはぐでした」と振り返った。本番へ向けて「ハミを替えるか、鼻革を着けるか。これから考えますが、対策をして臨みたいと思います。スタート自体は遅いけど、その後にスッと行き脚がつくので、現状はマイルくらいが良さそう。G1でもリズム良く運べれば」と期待を寄せた。(馬サブロー栗東支局・塩手)