「人材派遣業」は大手企業がシェア席巻 黒字企業が8割も、コロナ後初の減益
売上高は増加傾向が続く
全国の人材派遣業1,497社の2023年度の売上合計は、4兆6,624億4,000万円(前年度比6.0%増)、最終利益合計は1,508億円(同7.5%減)で、増収減益だった。 売上合計は増収が続き、業界の活況を示している。だが、運営コスト上昇に加え、派遣人材の確保や事務コスト上昇などが重なり、2023年度の最終利益は、減益だった。 売上高別の社数構成比は、1億円以上5億円未満513社(構成比34.2%)が最多。次いで、10億円以上50億円未満が326社(同21.7%)、1億円未満が274社(同18.3%)と続く。 5億円未満が全体の約5割(同52.5%)を超え、100億円以上のひと握りの大手と地域や専門性に特化した中小・零細規模に二分化した構造になっている。
「人材派遣業」倒産・休廃業 新設法人の設立数を10年連続で下回る
2023年の「人材派遣業」の倒産は78件、休廃業は232件、合計310社だった。10年連続で新設法人数を下回り、新規参入の増加が過当競争を招く市場環境にある。 ただ、倒産は穏やかに推移するが、大手より体力の劣る中小・零細事業者は、人手の確保が難しくなっており、廃業や倒産に追い込まれる可能性が高まっている。