「大物キャストゼロ」なのになぜ?…月9ドラマ『嘘解きレトリック』が口コミで大絶賛される意外な要素
数字は微妙だが…高評価なワケ
10月期のドラマの数字がそろそろ定まってきており、視聴率争いから脱落しそうなドラマも出ている。そんな中でひときわ異彩を放っているドラマがある。『嘘解きレトリック』(フジテレビ系)だ。 【仲良し】すごい…事務所移籍で話題になった「あの女優」と鈴鹿央士のツーショット! 累計100万部の都戸利津氏の人気コミックを実写化した同ドラマだが、公式ホームページによると、 《本作は“やたら鋭い観察眼を持つ借金まみれの貧乏探偵”と“ウソを聞き分ける奇妙な能力者”の異色コンビが「ウソ」と「マコト」が入り交じる綾糸のごとき難事件を解決していくレトロモダン路地裏探偵活劇貧乏探偵&奇妙な能力者によるレトロ・ミステリー》 となっていて、探偵役は鈴鹿央士(24)、“超能力”の持ち主は松本穂香(27)が演じる。 物語の舞台は昭和初期の九十九夜町(つくもやちょう)という架空の町。現代劇と異なりスタジオセットや衣装に凝らねばならず、通常のドラマより制作費がかかりそうなのだが、しっかりと作りこまれていて雰囲気がよく出ている。 さて、視聴率だが、初回の10月7日放送の初回の視聴率は7.1%、第2話では6.5%と0.6ポイント下げた。第3話ではさらに下げて6.0%、第4話では6.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯:以下同)と少し持ち直したものの、合格点とは言えない状況だ。 民放でドラマ制作を担当する制作会社のプロデューサーが言う。 「ミステリーは、入念に作りこまないと失敗します。難事件を解決するとなっていますが、第1話では、犯人こそ逮捕されたものの、子どもが救出されただけで殺人事件の解明はされず、もやもやが残りました。ひょっとしたら今後の展開の伏線となっているのかもしれませんが、中途半端な感じがします。 キャストが弱いと数字が伸びないケースがある。本作はセットや衣装、ロケにお金がかかっていることから“出演料をケチったから、人気俳優が出ていないんじゃないか”なんて声も聞こえてきます」 たしかに『月9』といえばこれまで、木村拓哉(51)などの旧ジャニーズタレントや福山雅治(55)など、超人気俳優が主演を務めることが多かった。このドラマでは、人気はあるが、“小粒感”が拭えない2人が主演。居酒屋の主人の大倉孝二(50)や八百屋の今野浩喜(45)といったベテランの芸達者が脇を固めているが、大物はいない。 このまま失速していくのだろうか、と心配する声も出ている。 ◆SNSの口コミで「数字が復活」する? ところが、第4話の放送後からこんな称賛の声があがりはじめた。 《鹿乃子の心情をこれ以上ないぐらいにうまく表現する松本穂香がいいねぇ》 《鈴鹿央士くんがハマり役。愛嬌(あいきょう)のある顔とひょうひょうとした探偵役がマッチして好感度が非常に高い。映画化してほしい》 ここにきて風向きが変わりつつあるのはなぜか。テレビ誌ライターが解説する。 「このドラマはミステリーというより、ファンタジーとして観たほうが楽しめると思います。視聴者もそれがわかってきたのではないでしょうか。主演の2人も原作キャラのイメージを忠実再現していて好評なようです。 録画して、あるいは配信で楽しむ視聴者が多くなりました。そんな人たちが“このドラマは意外と面白い”と口にするようになり、SNSで発信しています。今、口コミでじわじわと広がっていますね」 フジの看板枠、「月9」の意地を見せられるか。
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