元都知事目線で見る「都知事選の争点」…インバウンド頼りでなく、東京を再び「稼げる都市」にするために必要な政策とは
待ったなしの少子高齢化対策
2023年の東京都の合計特殊出生率は0.99となった。日本全体は1.20である。まさに少子化対策は待ったなしである。小池、蓮舫をはじめ多くの候補者がこれを公約に掲げている。 小池は、無痛分娩費用の助成、保育の無償化(第一子まで拡大)、子育て世帯への家賃負担の軽減などを打ち出している。蓮舫は、手取りを増やす、学校給食の無償化など、現役世代への支援を強調する。 少子化の原因としては、価値観の変化、女性の社会進出、晩婚化、生活費の高騰、教育費負担増加、親の介護など、様々な問題が山積している。 子育て支援策としては、児童手当の拡充(子ども手当支給)、出産などの経済的負担の軽減、高等教育費の負担軽減、住宅支援の強化、保育施設充実、未婚者への平等な権限(欧州では、婚外子比率の増加で出生率が高まっている)。 先述したように、財政の豊かな東京ならこれらは可能であるが、期待するだけの効果が上がるかどうか。また、高齢者対策も不可欠であるが、バリアフリー化などインフラ整備が遅れている。 その他にも様々な課題があるが、海外の大都市に比べて、デジタル化やEV化が遅れている。「金の稼げる都市」にしなければ、東京は輝かない。観光客が増えているのを喜んでいるだけでは駄目なのである。世界最先端のビジネスマン、技術者が闊歩する東京でなければならない。
舛添 要一(国際政治学者)
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