元都知事目線で見る「都知事選の争点」…インバウンド頼りでなく、東京を再び「稼げる都市」にするために必要な政策とは
国際金融都市・東京へ
日本全体もだが、東京の国際的地位が低下している。東京は、かつては、ニューヨーク、ロンドンと並ぶ国際金融都市であったが、今やアジアでも香港や上海、シンガポールに負けている。 グローバル企業のアジアのヘッドクオーターはほとんどがシンガポールである。シンガポールは英語が公用語であるし、規制緩和も進んでいる。 日本が昔日の繁栄を取り戻すためには、東京が国際金融都市として大きな飛躍を遂げることが不可欠である。都知事時代に私は、国際金融センターを日本橋に構築するための取り組みを推進することにしたが、小池都政になってほとんど前進していない。 海外ビジネスのしやすい環境づくりが早急に必要である。 たとえば、英語表記、利便性など環境整備、国際金融会議の開催・誘致、また、国内成長分野への内外からの投資を呼び込む仕組みづくり(都有地活用PPP、都施策に資する官民連携インフラファンド、プロボンド市場、ベンチャー支援など)、国際金融センターで活躍できる人材育成(金融専門人材育成、初等・中等教育における金融教育)などを推進せねばならない。
100年後にも輝くための都市計画
東京が将来も輝き続けるためには、不断の再開発が必要である。 都知事時代に、私は、渋谷、虎ノ門、東京駅(丸の内、八重洲)などの再開発を進め、また品川・田町周辺の再開発計画を立てた。今、それが実現しつつある(たとえば、渋谷を見ればわかる)。 次は新宿、さらに池袋と進まねばならないが、小池は全くこの問題に興味が無く、役人任せで前進していない。 東京を100年後にも輝く都市にするには、拠点の盛り場(新宿、渋谷など)を30年ごとにリニューアルせねばならない。今再開発中の渋谷も、2055年頃にはまた再開発が必要なのである。 後藤新平は関東大震災後の帝都を復興させた。その後藤がお手本にしたのが、19世紀にパリを大改造したジョルジュ・オスマンである。首都のリーダーは都市計画に精通していなければならない。
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