メッシの代表デビュー戦はわずか1分で退場 当時メッシとトラブルになったDFが振り返る19年前の一件「レッドが出るとは……」
もっとメッシを見たかったのにと批判も浴びたとか
アルゼンチン代表では通算187試合をこなし、109ゴール58アシストと圧倒的な成績を残してきたFWリオネル・メッシ。ワールドカップ、コパ・アメリカも制しており、代表でも全てのタイトルを手にした。 ただ、そんなメッシも苦い思いを味わったことがある。その1つが18歳で迎えた2005年の代表デビュー戦だ。 ハンガリー代表との親善試合に64分より途中出場して代表デビューを果たしたメッシだが、投入早々にトラブルが起きてしまった。得意のドリブルで右サイドから中央へ突破を仕掛けた際に、ハンガリー代表DFヴィルモシュ・ヴァンツァークがメッシのユニフォームを強引に引っ張ってファウルで止めたのだ。 このファウルに腹を立てたメッシは、ヴァンツァークを振り払おうと右肘をスイングしてしまった。これがヴァンツァークの顔付近に当たり、主審はこの行為でメッシにレッドカードを提示。メッシのデビュー戦は投入から1分で退場となったのだ。 『The Athletic』にてヴァンツァークが当時のことを振り返っているが、当時は期待のワンダーボーイであるメッシを退場に追い込んだとして批判も浴びたのだという。 「みんながメッシを見たがっていたから、『君のせいでレッドカードをもらってしまったぞ。我々はメッシを見たかったのに』と言われたよ。試合前からスターになる可能性がある有望な若手がいるとは聞いていた。それがメッシだった。みんな彼がビッグプレイヤーになると言っていたから、私も楽しみにしていたんだ。あの場面では彼がドリブルで私を突破してきて、それを止めたくて彼のユニフォームを引っ張った。彼は肘で私を殴りたかったわけではなく、振り払おうとして腕を振ったのだろう。親善試合だったから、あれでレッドカードが出るとは思ってなかったよ。わずかな時間ではあったが、彼が素晴らしい選手であることは分かった。ボールに触れた時の彼は素晴らしかったよ」 誰も予想していなかったメッシの代表デビューだったが、ヴァンツァークは自身がメッシの代表キャリアに火をつけたかもと冗談交じりのコメントも残している。試合で相手の人数が減るのは悪いことではないはずだが、ヴァンツァークにとっても苦い思い出となっているようだ。
構成/ザ・ワールド編集部