【注目ドライバー】2023年はレッドブルの全勝を阻止したカルロス・サインツ…2024年限りで跳ね馬から去ることに|フェラーリ|F1
名門マクラーレンでさらに評価を高める
2018年までのマクラーレンは長らくいばらの道から抜け出せない状況が続いていたため、2019年はサインツとルーキーのランド・ノリスを起用してドライバーラインナップを一新。さらにはチーム体制の改革も進む過渡期にあった。そのなかで安定した速さを見せたサインツは、トップ3チームの一角を崩してドライバーズチャンピオンシップ6位と好成績を残し、自身の評価を高めるとともに、マクラーレンの復調を印象付けた。 なかでも第20戦ブラジルGPでは、4番手でチェッカーを受けたものの、3位入線のルイス・ハミルトンがペナルティを受けたことによってサインツの順位が繰り上がり、キャリア初の3位表彰台を獲得。この裁定は表彰式後に行われたためシャンパンファイトは逃したものの、サインツはチームクルーとともに表彰台へ上がり、記念写真を撮影する場面も。マクラーレンとしても久々となった表彰台を祝った。 2020年もマクラーレンから参戦予定だったサインツだが、新型コロナウイルスの流行によって開幕戦が延期されるなか、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)の契約満了に伴って、2021年からフェラーリに加わることが5月14日に発表された。奇しくもスペイン人初のワールドチャンピオンである先輩アロンソと同じく、ルノー・マクラーレン・フェラーリと渡り歩くこととなった。 マクラーレン最終シーズンとなった2020年は12度の入賞を果たし、第8戦イタリアGPではあわや優勝もという展開の中、ピエール・ガスリーに初優勝を許し、自身は過去最高位の2位となった。105ポイントを手にして、ドライバーズランキングでは6位に入っている。 そして2021シーズンは、2020年に低迷したフェラーリへと身を投じることとなった。
フェラーリでは最終戦で古株ルクレールを逆転
イタリアの名門に加わったスペイン人ドライバーは、加入直後こそ古株の僚友、シャルル・ルクレールより予選や決勝でなかなか上にいくことができず。第5戦のモナコGPではルクレールがポールポジションを獲得したものの、マシントラブルによりルクレールは決勝でスタートすることができず。このレースではサインツが堅実にポジションを上げ、フェラーリで初の表彰台となる2位入賞を果たした。 サインツは決勝で安定したレースペースを示す展開が目立ち、要所でポイントを稼いでいった。そして最終戦第22戦アブダビGPでは3位フィニッシュを果たすと、総合7位から5位に浮上してシーズンを終えた。この時、総合6位は前年の相棒ノリスのまま。ルクレールは最終戦で10位入賞を果たしたものの、ポイント差で総合5位から7位に転落しての2021年締めくくりとなった。サインツはフェラーリ加入1年目で、事実上のエースであるルクレールを上回った形に。シーズンのポディウム回数もサインツ4回、ルクレール1回という内容だった。