【注目ドライバー】2023年はレッドブルの全勝を阻止したカルロス・サインツ…2024年限りで跳ね馬から去ることに|フェラーリ|F1
2021シーズンからフェラーリ入りを果たしたカルロス・サインツ。フェラーリ4年目は在籍最終シーズンとなるが、フェラーリで存在感を示すことができるのか注目だ。
WRC王者を父に持つレース界のサラブレッド
世界ラリー選手権(WRC)のチャンピオンに2度、ダカール・ラリーの総合優勝に3度輝いたカルロス・サインツ・シニアを父に持つカルロス・サインツは、1994年にスペイン・マドリードで生まれ、幼少期よりモータースポーツに親しむ環境で育った。 10代でレーサーとしてのキャリアをスタートし、2010年にレッドブルの支援を受けてフォーミュラの世界に進出。さまざまなカテゴリーにエントリーしてレース経験を積み、ダニール・クビアトやストフェル・バンドーンといった同世代のドライバーとともに頭角を現していった。 2014年当時、レッドブルのジュニアチームには多くの若い才能が在籍しており、数少ないF1のシートを巡って、激しい競争が繰り広げられていた。そんななかフォーミュラ・ルノー3.5でのシリーズ優勝が評価され、サインツは2015年にトロ・ロッソからF1デビューを飾ることとなった。
経験と実績を積み重ねて強豪へ
2015年のトロ・ロッソは、当時20歳のサインツと17歳マックス・フェルスタッペンという非常に若いルーキーコンビでシーズンに挑んだ。サインツは、デビューレースのオーストラリアGPでいきなり9位入賞を果たすなど、持ち前の速さを見せつけた。だがその後はマシントラブルなどの影響もあり、チームメイトにも決勝の成績ではやや後れを取るシーズンとなった。 前年同様のラインナップで開幕した2016年は、第5戦スペインGP前にレッドブルとトロ・ロッソ間でドライバー交代が行われ、フェルスタッペンに代わりジュニア時代からの好敵手であるクビアトがチームメイトになった。クビアトに対してはシーズンを通じて上回る成績を残し、安定した走りで3回の6位入賞を記録している。 トロ・ロッソでの3シーズン目となる2017年には、第14戦シンガポールGPで当時の自己最高位となる4位入賞を記録。GP直前に翌年のルノーへの移籍が発表されていたため、トロ・ロッソへの恩返しとなる見事な活躍だった。ただ、第16戦日本GP後に、ルノーのジョリオン・パーマーがチームを離脱したことから、第17戦アメリカGPを前に、前倒しでの電撃移籍が決定。レッドブルからのレンタル移籍という形の契約となり、シーズンの残り4戦をルノーから出走することに。 ルノーに完全移籍した2018年は、チームメイトのニコ・ヒュルケンベルグとともに、トップ3チームに次ぐ順位をキープ。チームのランキング4位に貢献した。また8月には同郷の先輩であるフェルナンド・アロンソがF1からの引退を発表したことで、空席ができたマクラーレンから白羽の矢が立ち、名門の扉を叩いた。