Bloomberg

（ブルームバーグ）： 10月３週（15－18日）の日本株は堅調に推移する見通し。米国景気の底堅さや外国為替相場の安定した値動きを好感した買いが入りやすい。ただ、企業決算や衆院選の行方を見極めたいとのムードから、上げ幅は限定的になりそうだ。

米経済指標で個人消費の底堅さが確認されれば米株高と為替の円安を通じ、日本株にもプラスに働きそうだ。10月２週は、４日発表の米国雇用統計が景気の堅調さを示したことを好感した買いが続いた。ＴＯＰＩＸは週間で0.5％高と反発した。

17日公表の米小売売上高（９月）はブルームバーグが集計したエコノミスト予想が前月比0.2％増と８月の0.1％増から伸びが加速する見込み。15日の米ニューヨーク（ＮＹ）連銀製造業景況指数も注目されそうだ。

株価の調整局面が長引いた半導体関連株は過度な期待感が薄れ、主要企業の決算発表後に買い安心感が広がりやすい環境だ。16日には蘭ＡＳＭＬホールディングスが業績を開示し、17日にはディスコや台湾積体電路製造（ＴＳＭＣ）も公表する。米銀の決算も景況感に影響を与えそうだ。15日のバンク・オブ・アメリカ（ＢｏｆＡ）やゴールドマン・サックス・グループ、16日のモルガン・スタンレーなどがある。

半面、政治面の不安材料は、株式相場の戻り売り圧力を強めそうだ。衆院選は15日の公示後に、各党は27日の投開票に向けて臨戦態勢に入る。石破新政権の支持率は世論調査で低調なだけに、選挙結果を見極めたいとの投資家心理もくすぶる。

《市場関係者の見方》

三井住友トラスト・アセットマネジメントの上野裕之チーフストラテジスト

日本株は底堅く推移するだろう。注目は米小売売上高。市場予想通りなら景気は悪くないとの見方が出て、為替は一時的に円安に振れるだろう。米政策金利はもともと上げ過ぎた面があるため、経済指標が堅調でも年内の利下げ期待は継続しそうだ。半導体関連は株価が調整した後なので、業績が想定線でも買い安心感が出やすい。