男女ともコースレコードが誕生した東京マラソン2024「グローバルスタンダード」のレースにTOKYOが沸いた
3月3日(日)に行われた東京マラソン2024は晴天に恵まれた。約3万8000人ものランナーのなかには、五輪の男子マラソンを連覇中で世界歴代2位の2時間01分09秒を持つエリウド・キプチョゲ(ケニア)。それから五輪・世界選手権のトラック種目でメダルを量産して、昨年のシカゴで女子マラソン世界歴代2位の2時間13分44秒を叩き出したシファン・ハッサン(オランダ)の姿もあった。
スタート時の気温は9.6度、湿度22%。選手たちを妨げるような風はない。絶好のコンディションのなかで、今年も「グローバルスタンダード」のレースが繰り広げられた。 男子のトップ集団は5㎞を14分16秒、10㎞を28分30秒で通過。トップ集団は早くも4人に絞られると、19㎞過ぎに王者・キプチョゲが遅れ始める。トップ集団は中間点を1時間00分20秒で通過した。 27㎞過ぎにティモシー・キプラガト(ケニア)が抜け出すと、30㎞を世界記録ペースより23秒速い1時間26分14秒で通過。一時はリードを奪うも、32㎞手前でベンソン・キプルト(ケニア)が追いついた。38㎞過ぎにスパートしたキプルトが、大会記録(2時間02分40秒)を塗り替える2時間02分16秒(世界歴代5位)で優勝。2位のキプラガトも2時間02分55秒(世界歴代7位タイ)の好タイムをマークした キプルトのワールドマラソンメジャーズ制覇は2021年のボストン、2022年のシカゴに続いて3回目。「走りは本当に気持ち良かった」と笑顔を見せると、好記録についても、「コースレコードを出せましたし、幸せです。世界記録を破ったとしても不思議ではありません。そういう準備をしてきましたから」と今後への〝期待〟を感じさせた。 一方、大会記録保持者だったキプチョゲは10位に終わった。「スポーツはいい日もあれば悪い日もある。毎日がクリスマスではないということだ。今日の教訓を明日への糧としていくまでです」と語っていた。 女子のトップ集団は中間点を1時間08分15秒で通過すると、注目のハッサンが25㎞過ぎに集団から大きく遅れ始める。トップ争いは前回覇者のローズマリー・ワンジル(ケニア)、ブダペスト世界選手権女王のアマネ・ベリソ・シャンクレ(エチオピア)、2時間18分12秒のベストを持つストゥメ・アセファ・ケベデ(エチオピア)に絞られた。 40㎞過ぎに3人のなかではキャリアで劣るケベデが果敢にアタック。大会新&世界歴代8位の2時間15分55秒でゴールテープに飛び込んだ。「大変な駆け引きがあって、できる限りのスパートを心掛けました。優勝は大変うれしいです。ハーフまでは大会記録を破ることも考えていませんでした」と自己ベストを2分17秒も塗り替えた自身の快走に驚いている様子だった。 2位はワンジルで自己ベストの2時間16分14秒、3位はシャンクレで2時間16分58秒。ハッサンは2時間18分05秒の4位でフィニッシュした。