Nintendo Switchロングヒットの秘密とは? ゲーム開発会社・Virtuosに聞いてみた
後継機が出る!? ともっぱらの噂のNintendo Switch。噂の真偽は定かではありませんが、出るのだとしたらどこが変わるのか、どんなゲームができるようになるのか……気になりますよね。 【全画像をみる】Nintendo Switchロングヒットの秘密とは? ゲーム開発会社・Virtuosに聞いてみた そもそも2017年にリリースされて以来、約8年間という長い期間、幅広い層に圧倒的な人気を誇り続ける本機。その人気の秘密はなんなのでしょうか。 今回ギズモードは、そんなSwitchの人気の秘密を探るには「Nintendo Switchでプレイできるゲームを開発する会社」に話を聞けばいいのでは? と考え、ゲーム開発会社「Virtuos」、北アジア統括役員のフィリップ・アングレーさんとプロジェクトマネージャーの中川亮さんにインタビュー。 そもそもゲームコンソール自体のパワーが比較的少ないNintendo Switchへ、他プラットフォームでプレイされているゲームを移植することは至難の業。そんな難しい作業を得意とするVirtuosに、現場から見るNintendo Switchの人気の秘密について伺いました。
Virtuosのゲーム開発
ーーVirtuosはゲーム開発で、具体的にどんな仕事をするのですか? フィリップ・アングレー(以下、アングレー) :部門が二つありまして、片方はエンジニアリングやゲームデザインを行ういわゆる「開発部門」で、もう片方は3Dやアニメーション、コンセプトなどを行う「アート部門」です。 品質管理やローカライゼーション、マーケティングなどは行わず、パブリッシャーでもないので、ゲーム開発における“開発”に専念している会社ですね。 我々のミッションはクライアントが求める、より大きな規模のゲームをより短い期間で完成させることです。そのために追加で開発用のチームやアーティストを提供します。 また、例えばクライアントがPC向けゲームの開発経験しかなく、コンソールなど他のプラットフォームでも展開したいとなった場合、クライアントと協力して“ゲームの移植”を行います。 というわけで、開発のさまざまな場面で必要な人員を提供するのが我々の仕事ですね。 ーーどのようなタイミングで開発に関わるのですか? アングレー :最初から関わるということもあれば、途中参加ということもあります。 最初から関わることになると、プロトタイプの製作などに関わって、50人や100人くらいのチームを提供。ベンチマークを可能にし、スケジュールを決める手助けをします。 途中から加わる形だと、必要に応じてチームを補強することもありますし、リリース直前の最終段階に入ってから方針が変わって対応プラットフォームを増やすなんてことになって、ほとんど移植に近い作業をすることもあります。とにかくどんな段階でも対応できるようになっていますね。 ーー世界中に拠点がありますが、日本のオフィスではどんなことをされているのですか? アングレー :会社としては15年以上に渡って日本のゲーム会社と仕事をしてきています。最初に関わったのは『ファイナルファンタジーXIV』でした。 (現在もサービスが続いているので)その開発には関わり続けていますね。その他にもいろいろなクライアントと共に、たくさんのゲームを手掛けてきました。 昨今のゲーム開発は昔に比べて非常に複雑で、昔だったら簡単に言えば「この表にあるものを期限内に作って」というような依頼内容でしたが、今は、例えばキャンペーン内の1時間ほどのステージを作るとした場合、コンセプト、デザイン、プレイヤー・エクスペリエンス、ボス、AI、戦闘システム、ストーリーなどを決め、そこからキャラクターのモデリングをし、エンジンに組み込んで、ライティングやエフェクトを加えて、さらに最適化まで行わなければなりません。製作過程が複雑化しているのです。 我々はそういったものを効率化し、クライアントにはゲームのストーリーやプレイをより面白く、より大きくするために注力してもらうための時間を作り出すという役目を担っています。 そういう協力体制ではテクニカルレベルでのやり取りが必要になるので、日本にオフィスを構え、クライアントと我社のプロデューサーやデザイナー、プログラマーが日本語で直接コミュニケーションを取りながら、それを中国、ベトナム、マレーシア等にいる他のチームメンバーに繋いでいくという形になっています。 中川亮(以下、中川) :最近は僕らの会社も色々なことができるようになってきたので、いろんなアイデアやデザインをこちらから提案できるようにもなりまして、開発の複雑なところにも入れるようになってきました。 また、日本のクライアントからすると、やはり日本語でテクニカルで複雑な内容を開発者目線でやり取りできるというのは安心できるわけです。なので、より近い位置でコミュニケーションができるように東京にもオフィスを構えることになりました。