神山監督『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』で見せるアニメーターの力 津田健次郎も「画面に釘付け」
アニメーション映画『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』(12月27日全国公開)のスペシャルプレゼンテーションイベントが7日、千葉・幕張メッセで開催された「東京コミコン2024」のメインステージで行われ、声優の津田健次郎、神山健治監督、プロデューサーのフィリッパ・ボウエン、ジョセフ・チョウが出席した。 【動画】実写3部作につながる!『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』日本版予告編 J・R・R・トールキンの小説をピーター・ジャクソン監督が実写映画化した『ロード・オブ・ザ・リング』3部作の200年前を舞台にした本作は、小説「指輪物語 追補編」のエピソードを基に、滅亡の危機にひんした騎士の国・ローハンの運命を託された若き王女ヘラの戦いを描く長編アニメ。プロデューサーのフィリッパは、2019年ごろにワーナー・ブラザースからジャクソン監督やフィリッパたち製作チームにアニメ版のオファーがあったと明かす。「最初はアニメーション映画を作ろうというお話だったのですが、あの膨大な物語の中でどのストーリーを描けばいいのかわからず、話が進まなかったんです」
さらにフィリッパは、話し合いのなかで「日本のアニメはどうか」という提案があったと明かし「先方はわれわれがノーと言うと思っていたようですが、わたしたちはアニメの大ファンだったので、逆に可能性があると思いました。その時に『ローハンの戦い』の物語がわたしの中に下りてきたんです。この物語にある文化は、日本のストーリーテリングに合うんじゃないかと。日本の作品でよく見受けられる忠義や名誉、あるいは勇気、そしてそれと対になるようにある裏切りなど、人間の短所も描かれていて、これならいけると思ったのですが、あとはすばらしい監督が必要でした……それが隣にいる神山監督です!」と語る。
もうひとりのプロデューサーであるジョセフは、神山監督と何本かタッグを組んでいたこともあったといい、ハリウッドでは主流だという(声を録ってから映像を作る)プレスコ収録になれているということ、ストーリーテリングに信頼が置けるということなど、神山監督にオファーを出し理由をいくつか述べた後に、「これはもう、自分からは言えないと思うので僕から言ってしまいますが、天才だからです!」と全幅の信頼を寄せている様子。 さらに「お忙しい方なので、普段は電話をしてもなかなか通じないんです。でもこの話の時は一発でつながった。こういう時は何かがある。アメリカでは3,000館規模で公開されるような、日本のアニメとしては異例の規模となる映画ですが、いかがですかと言ったら、『うーん、やるしかないね』と。そこからはじめました」と明かす。