マクドナルド「多様性目標」を縮小へ...最高裁判決の影響広がる
<最高裁判決が企業の多様性施策に与える影響が拡大する中、マクドナルドはDEI(多様性・公平性・包括性)目標を一部縮小する方針を発表した>
マクドナルドは月曜日、米国最高裁判所が大学入試におけるアファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)を違法とする判決を下した後の法的および文化的環境の変化を受け、一部の多様性・公平性・包括性(DEI)施策を縮小すると発表した。 【動画】24個の眼を持つ新種の生物 なぜ重要なのか マクドナルドは、2024年の最高裁判決後の政治的な監視と保守派からの反発が高まる中、DEIへの取り組みを再検討する最新の企業となった。 ウォルマートやジョン・ディアなどの企業も、過去1年間でDEIの取り組みを縮小している。 知っておくべきこと 世界最大のファストフードチェーンであるマクドナルドは、シニアリーダーシップのための特定の多様性基準を廃止し、少数派の代表性とトレーニングを増やすことを目的としたサプライヤー向けイニシアチブを停止すると発表した。 さらに、マクドナルドは職場の包括性を評価する外部調査への参加を一時停止する。これは、ロウズやフォード・モーターなどの他の企業が、LGBTQ+従業員向けの職場包括性を測定する人権キャンペーン(HRC)の年次調査への参加を中止した動きと一致する。 この方針転換は、マクドナルドが2021年に野心的なDEI戦略を発表した後に行われた。同社はその際、セクシャルハラスメント訴訟や黒人の元フランチャイズオーナーからの人種差別の告発などの法的課題に直面していた。 当時、CEOのクリス・ケンプチンスキー氏は、測定可能な進展と多様な視点の重要性を強調し、それがより良い意思決定を促進すると述べていた。 しかし現在、マクドナルドは最高裁判決後の「法的環境の変化」と他社の行動を今回の方針変更の要因として挙げている。 従業員とフランチャイズオーナーへの書簡で、同社のリーダーシップは包括性へのコミットメントを再確認した。米国内のリーダーの30%が少数派グループから来ており、この割合は2021年の29%から増加しているという。なお、同社は今年末までに35%に到達するという目標を掲げていた。 また、マクドナルドはジェンダー間の給与平等に関して進展があったことを発表し、2025年までにサプライヤー支出の25%を多様性のある企業に向けるという目標を年内に達成する見込みだと述べた。 人々の反応 マクドナルドの会長兼CEOであるクリス・ケンプチンスキー氏は以前、LinkedInに次のように投稿している。 「包括性をコアバリューの一つと考える世界的ブランドとして、共感を持ってリードし、人々を尊厳と敬意を持って扱い、多様な視点を求め、それがより良い意思決定を促進する努力において、真に測定可能な進展を期待します」 一方で、保守派の映画制作者ロビー・スターバック氏は月曜日にX(旧Twitter)で次のように述べた。 「企業は、アメリカが正気を取り戻したがっていることを理解しています。『覚醒』の時代は、まさに目の前で終わりを迎えつつあります。企業アメリカの景観は急速に正気と中立性にシフトしています。私たちは例外ではなく、トレンドそのものです」 「私たちは勝っている。一つずつ、企業アメリカに正気を取り戻していきます」とスターバック氏は述べている。 今後の展望 今後、マクドナルドの多様性チームは「グローバルインクルージョンチーム」という名の下で運営される。また、同社は引き続き人口統計データを公開すると確認している。
ナタリー・ベネガス