31歳初ラウンドはノーボギー 渡邉彩香が目指すのは“シード復帰”ではない
◇国内女子◇ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン 初日(20日)◇利府GC (宮城)◇6638yd(パー72)◇雨(観衆2666人) 【画像】原英莉花の惜しいパット 31歳になって初めてのラウンドで、バーディより先にボギーをたたきたくなかった。開幕前日の19日に誕生日を迎えた渡邉彩香は前半13番でバーディを奪うと、15番(パー3)まで3連続。「リズムも良くなった」とボギー先行どころか、無傷で6バーディを量産して「66」をマークし、首位と1打差の6アンダー2位で滑り出した。 今週バッグを担ぐ森博貴キャディが妻も交えて「誕生日会みたいなのをやってくれて」。雷雲接近でスタートが遅れた上、雨が降る中でのプレーを強いられても、晴れやかな気持ちを途切れさせたくなかった。「こういう天気が悪い時はバーディを先行することがすごく大事」と心を落ち着かせ、スコアメークにつなげた。
昨季にキャリア2度目のシード落ちを経験し、一度は競技から離れることも頭をよぎった。しかし、「このまま終わりたくない」という思いに心を奮い立たせ、今季も参戦する覚悟を決めた。これまで19試合に出場し、予選落ちは3試合だけ。8月「CAT Ladies」では2位に入り、今大会後に出場優先順位を入れ替える暫定リランキングは8位につける。来季のシードを決めるメルセデスランクは46位とシード復帰を臨める位置にいるが、目指すところは“そこ”ではない。 ツアー5勝目を挙げた2022年「ほけんの窓口レディース」を最後に優勝からは遠ざかっており、「結果的にシード復帰できたら最高ですけど、やっぱりもう一回優勝したい」。6度目の優勝を欲して一試合ずつ臨んできた。「シードを気にすると、どうしてもセーフティにやりたくなる気持ちが出てくる。そういうのではなく、やっぱり優勝を目指してやる。それが結果的にシード復帰につながれば」と強調する。 10年前の2014年に酒井美紀に1打差で振り切られて2位に終わり、優勝を逃した試合。当時の記憶は色あせていない。「雨の影響でグリーンの雰囲気が例年とちょっと違うけど、コースはすごく好き。あと2日もいいイメージでやれたら」と意気込んだ。「31歳の初ボギーが来ないようにあしたも頑張りたい」と笑った。(宮城県利府町/石井操)