東京女子プロレスの“ムキムキピンク”渡辺未詩 アイドル兼任プロレスラーは団体屈指の力持ち!【渡辺未詩(前編)】
「まずはオーディションの時点からボイストレーニングやダンスレッスン、振り付けが始まりました。しかも普通のアイドルではなくプロレスラーとの兼任だったので、ただかわいいだけでなく、力強く踊る、運動量の多いダンスが求められました。でも最初はどのメンバーも体力がなさすぎて、歌うにしてもダンスをするにしても、プロレスの練習にしても、すべてにおいて体力がなかったですね。それでも最初は『アッパーキック!』一曲だったので、これを全力でやり切るというのがミッションでした」 体力をつけるトレーニングが両方に活きた。レッスン、トレーニングを続けていくうちに、渡辺は今まで気づかなかった長所に気づく。いつの間にか他人よりも重いウエイト器具を持ちあげていたのである。 「『この重さ持てる?』とか『これ担げる?』と言われて、やってみると実際にできたり。私は“か弱い”が女の子のかわいさだと思っていたので、最初は嫌々持ってたところもあったんですけどね」 プロレスラーとしてデビュー後は、そのパワーが大きな武器になった。そこからさらに力をつける練習を取り入れるようになり、ひとりで2人をぶん回すジャイアントスイングを編み出した。ただ力があるだけでできる技ではないと、渡辺は言う。 「ひとりを回すだけじゃちょっと物足りなくなって、2人いけるかもと思ったのが最初です。でもやっぱり、いざまとめて持とうとするといろいろ難しい点が多くて、かなり試行錯誤しました。脚の持ち方とか遠心力をかけるまでの持っていき方とか、だいぶ難しい部分がありましたね。そこで必要だったのが、背中の力でした。広背筋、腰、背中の力がないと、あれはできないですね。パワーファイターといっても力があるだけではダメ。そこには技術も必要だということなんです」
アップアップガールズ(プロレス)は2017年8月にステージデビュー、翌18年1月4日の後楽園ホールでプロレスデビューをはたした。以来、渡辺はアイドル活動とプロレスを両立させていく。新人の頃には先輩レスラーに早く追いつきたいとの思いから、ほかの選手よりも長い時間道場で練習した。メンバー全体が集まるプロレス練習は週2回。それはもちろん、時間の許す限り毎日のように道場に通い、トレーニングに明け暮れたのだ。やがて東京女子の主力選手となり、今年3月の両国国技館では絶対王者・山下実優を破り、頂点のプリンセス・オブ・プリンセス王座に到達。東京女子のトップに立ったと言っていい。そんな彼女を支えるのが日々のトレーニングだ。 (後編に続く) 【東京女子プロレス6月の試合日程】 15日(土)兵庫・神戸芸術センター(12:00) 16日(日)アクロス福岡(15:00) 23日(日)静岡・アクトシティ浜松(13:00) 29日(土)東京・品川プリンスホテル内クラブeX(11:30)
取材・文・写真/新井宏 写真提供/東京女子プロレス 撮影協力/ BODY PLANT LAB