大卒10年後、憧れのホンダ初代「NSX」を購入! 定年まであと10年…主治医と修理箇所を相談して乗り続けます
使える予算と修理箇所のバランスを熟考し乗り続ける
「大学を卒業して入社したのが1990年。ちょうどそのタイミングでNSXがデビューしたのですが、新卒の自分にはとても手が出せる車両ではありませんでした。でも、憧れだけでは終わらせたくないと、少しずつ購入資金を貯蓄。10年ほど資金を準備して、ようやく手に入れたのがこの愛車なのです」 5速MT車を探していたけれど、中古車市場の多くがAT車でなかなか見つからず……。しかし、たまたま通りかかった地元の長崎県にあるスポーツカー専門店で、この個体が並んでいるのを目撃。この個体の整備記録などを確認させてもらい、約1カ月間熟考の後に正式に契約へこぎつけた念願のNSXなのだ。 「今までも、クラッチ交換やミッションオーバーホールなどを実施しています。あと10年で私は定年になるのですが、それまで元気に走らせるためには、そろそろエンジンのオーバーホールも必要。でも、私の人生の資金のバランスもありますから。そのために、主治医と細かく相談して今後の修理箇所を細かくリスト化。それに沿って、オーバーホールなどを進めていくことになっています」 “shinchiyan3740”さんが気になっていて、修理したいと考えている箇所。それ以外にも、プロの観点から修理が必要な箇所。そして、気にはなるけど必ずしも最優先ではない箇所。そういった洗い出し作業を経て、これからの作業に入っていくのだという。 「今はオーディオが壊れているんですけどね。走りには直結しないのでずっと我慢しています(笑)」 古いクルマに乗るということは、それなりの労力がかかるのは想像できる。お金、時間といった余裕がなければ楽しめない。しかし、決してお金をかけたからといって、自分が望む楽しいマイカーライフを送れるという確約もない。自分の思いをしっかりと理解してくれる主治医との出会いと、周囲を納得させることができる愛車への情熱が大切なのだと実感した取材だった。
酒寄俊幸