2038馬力のハイパーカー……は流行のBEVじゃない! 水素燃料の「XP-1」はボディがソーラーパネル化できる未来のマシンだった
水素自動車のハイパーカーが誕生
自動車の電動化。この言葉が語られるようになって、もうかなりの時間が経過した。その間、自動車メーカーは各々の手法で電動化技術を搭載したニューモデルを発表し、現在はマイルドハイブリッドのHEVに始まり、外部電源からの充電が可能なPHEV、内燃機関を搭載しない100%エレクトリックモーターで駆動力を得るBEV、あるいは水素を燃料にこれまでの内燃機関に似たパワーユニットを搭載するFCEVまでが誕生している。 【写真】まるでSFの世界観! ハイペリオンの全体ディティール(全12枚) ここで紹介するのは、アメリカのカリフォルニア州に本社がある自動車メーカー、ハイペリオンモーターズが独自に開発、製造したワンオフカーだ。そのデビューはいまから4年前の2020年で、同年8月には一般公開も行われている。 水素を直接内燃機関の燃料として用いる案を徹底的に進めたメーカーにはほかに、水素燃料電池車を別に考えれば、BMWやマツダなどがあるが、過去に経験した彼らの水素自動車は、とくにネガティブな印象を与えるまでもなく、通常のガソリンエンジン車と同等の走りを披露してみせたことを思い出す。しかも水素燃料水素電池車では100%に限りなく近い純度が求められる水素も、直接エンジンのシリンダー内で爆発させてしまう水素では、そこまでの純度は必要としない。 だが、ハイペリオンの選択はバッテリー式の水素自動車だった。ハイペリオンモーターズのアンジェロ・カファンタリスCEOは、将来的にはテスラのように、水素ステーションのインフラを整備したいと考えていることも理由のひとつだ。 ハイペリオンXP-1の開発は、10年近い時間を投じて行われた。モノコックシャシーはカーボンチタン製で、その選択により車重はトヨタ・ミライやホンダ・クラリティといったほかの水素自動車と比較しても軽量な1248kgを実現している。XP1には3速ATが搭載され、それによって燃料電池から電気モーターへの出力を増大させ、大量の電力を供給するウルトラキャパシタの搭載も実現する計画だ。
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