リーダーが必ずしも「優秀である」必要がない理由 優れた人材を見出し仕事を任せることが重要
新年度を機に、昇進してマネジメントを任されることになった人、初めて部下ができた人、無我夢中で約2カ月を過ごして、そろそろ「マネジメントって何をどうすることなんだろう?」「どうやら自分はリーダーに向いていないかもしれない」など、さまざまな疑問や葛藤を抱える時期ではないでしょうか。 本稿では、入社3年目から約20年にわたってリーダーとしてのキャリアを歩み続け、数々の修羅場をくぐり抜けてきた木部智之氏の最新刊『リーダー1年目のマネジメント大全』から一部を抜粋し、新米リーダーが最速で結果を出すための仕事術を3回にわたってお伝えします。今回は2回目です。 【イラスト】嫌われることを恐れないリーダーは、案外嫌われない?
■最も優秀である必要はない 1800年代のアメリカで、鉄鋼王とも称され多くの成功を収めたアンドリュー・カーネギーという大実業家がいます。彼は多くの名言を遺しましたが、その1つに、次のようなものがあります。 「己よりも優れた者に働いてもらう方法を知る男、ここに眠る」 カーネギーが自らの墓碑に刻ませた言葉です。 これは、彼がなぜ数々の偉業を成し遂げることができたのか、その理由を端的に示している言葉だと思います。つまり、カーネギーは自身の才覚だけで成功を収めたわけではないということです。
優れた人材を見出し、仕事を任せることができたからこそ、事業を拡大することができた。一方で、優秀な人材を集め、働いてもらうことの難しさと大切さも熟知していたのだと思います。 リーダーであるあなたは、自分より優秀なメンバーを見ると焦りを感じてしまうかもしれません。メンバーより仕事ができないリーダーなんて、なめられるのではないか、あきれられるのではないかと不安は尽きません。 また、若くしてリーダーに昇進したことへのねたみからか、「リーダーのくせに、こんなこともできないのか」と、マウントを取ってくるメンバーもいるかもしれません。
しかし、ここではっきりお伝えしておきましょう。 リーダーは、チームの中で一番優秀である必要はありません。 自分が優秀でないことに不安を覚えたり、焦りを感じたりする必要もありません。なぜなら、リーダーに求められている役割は、そういう優秀さではないからです。 ■「マネジメント」で結果を出すべき リーダーに求められている役割とは、「マネジメント」です。組織をマネジメントする、メンバーをマネジメントする、ビジネスをマネジメントする、これらに長けていることが重要です。