リーダーが必ずしも「優秀である」必要がない理由 優れた人材を見出し仕事を任せることが重要
そうなったとき、悪口を言われていた人は気持ちよく仕事をしてくれないでしょう。ときには足を引っ張ってくるかもしれません。 ですから、悪口を言うことに何のメリットもないのです。 ■ネガティブ発言の百害 悪口、不平不満は、言うまいと思っていても、「つい」言ってしまうものです。なぜかというと、「言わない」こと自体がストレスになるからです。ストレスを吐き出せないことがストレスなのです。 もう1つ理由があります。それは、同じ不平不満を抱えている仲間がいるということを確認したいからです。自分だけでなく、他の人も同じようにストレスを抱えている、という安心感を得たいのです。
これらが気持ちの根底にあるので、自分からは言わないようにしていても、誰かが口火を切ると、つい乗ってしまいます。 ちょっとした雑談の中で誰かが言い始めたり、飲み会の場でそのような話になってしまったりということがよくあります。 しかし、そのような場面でも、私が見てきた優秀なリーダーたちは「努力」して、他人の悪口を言わないように自制していました。 同意しなかったり、話をそらしたりして、できるだけ自分はその噂話に乗らないように会話をコントロールしていました。ネガティブ発言をすることは、百害あって一利なしと知っていたのでしょう。
メンタルコントロールの1つとして気をつけておきましょう。 優しいリーダーがいいか、厳しいリーダーがいいか、よく議論になるところですが、これは択一的に決めることはできません。有能なリーダーの多くは両方の顔を持っていて、場面ごとに使い分けています。 ただ、1つ言えることがあります。それは、メンバーに好かれようとすると、組織は成果を出せなくなるということです。 残念ですが、リーダーはその役割の特性上、メンバー全員に好かれるということは、まずありません。むしろ、メンバーから好かれることを目標にしていては、チームは弱体化してしまいます。