日本女子初の金メダル獲得、上地結衣「歴史を作った」田中愛美「夢の中にいるよう」死闘制しV<車いすテニス>
パリパラリンピック
パリパラリンピック(フランス/パリ、レッドクレー)の車いすテニスは5日、女子ダブルス決勝が行われ、第2シードの上地結衣/ 田中愛美ペアが第1シードのD・デ フロート(オランダ)/ A・ファン クート(オランダ)ペアとの死闘を4-6, 7-6 (7-3), [10-8]の逆転で制し、日本女子初の金メダルを獲得する快挙を達成した。両選手は試合後のコメントで喜びを露わにした。 【動画】上地結衣/ 田中愛美ペア 金メダル獲得を決めた瞬間、日本女子初の快挙達成 上地と田中のペアはシードのため1回戦が免除となり、初戦となる準々決勝でL・デ グリーフ(オランダ)/ J・ボス(オランダ)ペア、準決勝で第4シードのグオ・ルオヤオ(中国)/ ワン・ジング(中国)ペアを下し決勝に駒を進めた。 一方、デ フロートとファン クートは初戦となる準々決勝で大谷桃子/ 髙室侑舞ペア、準決勝で第3シードのリー・シャオフイ(中国)/ チュー・ゼンゼン(中国)ペアを破り決勝進出を果たした。 この試合の第1セット、開始から互いにブレークを奪い合う展開となるもデ フロート/ファン クートペアに4度のブレークを許し先行される。それでも続く第2セットでは上地/田中ペアが接戦の末にタイブレークを制し1セットオールに追いつく。 迎えた10ポイントのマッチタイブレーク、先にミニブレークを奪いリードした上地/田中ペアはデ フロート/ファン クートペアの反撃を食い止め、大逆転で3時間に及ぶ死闘を制し金メダル獲得を決めた。 パラリンピックの女子ダブルスでオランダ人以外が優勝するのは大会史上初の快挙となった。 国際テニス連盟のITFは公式サイトに田中のコメントを掲載し「まだ夢の中にいるようです」とコメントした。 また、上地は「本当にうれしいです。感動しました。今日は友達やチーム全員がここに来てくれたので信じられないほどうれしいです」と明かした。 「パラリンピック決勝で負けるのは本当に辛いことです。金メダルを獲得し、その功績は永遠に残りますが今日はそんなことは気にせず、自分たちの試合に集中し、彼女らにプレッシャーをかけ続けました。それが功を奏しました。オランダ人は常にトップレベルですが、私は彼女らを見て、彼女らと戦い、そのレベルに到達するために何が必要かを知っています。今日は彼女らに勝つことが可能であることを示せたと思います」 「今日は歴史を作りました。現時点では、これが私のキャリアで最高の瞬間ですが、それは変わるかもしれません。まだ1試合残っています」 「私たちの前にいた車いすテニスのレジェンドたちに感謝したいと思います。彼らがプレーしてくれたからこそ、私たちは今プレーできるのです。これは私たち2人だけで成し遂げたことではありません。私たちを押し上げ、励ましてくれた、全ての選手たちの働きのおかげです」 なお、上地は2016年のリオデジャネイロ大会でシングルス銅メダル、2021年の東京大会でシングルス銀メダル、ダブルス銅メダルを獲得。今大会で初めて金メダルを獲得し悲願を達成した。また、シングルスでも決勝に駒を進めており単複での金メダル獲得に期待がかかる。 また、田中は2大会連続のパラリンピック出場であり今回、初のメダル獲得となった。
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