干潮時に近くを散策。沖縄では粟国島だけ。青い海と白い岸壁の競演
沖縄本島の那覇から北西に約60kmの海上に位置する粟国(あぐに)島。周囲約12kmの島に、約700人が暮らす一島一村の小さな島である。沖縄本島の周りにはリゾート開発が進む島が多い中、沖縄では珍しく起伏に富んだ海岸線と自然、沖縄古来の原風景が残る。那覇泊港からフェリーで2時間あまり、瑠璃色の海に見えてきた粟国島を訪ねた。
粟国島の沿岸は潮の干満によって大きく景色が変わる。ちょうど干潮の時間をみつけて島の南岸から筆ん崎に続くヤヒジャ海岸に下りてみた。 島が火山活動によってできたことがはっきり解る地層や岸壁が1km以上に渡って続くヤヒジャ海岸。くっきりと三色に層が別れている岩山、海岸にはサンゴのかけらに混じって安山岩、玄武岩、真珠岩など様々な石が転がっている。
島の一番西端、筆ん崎に向かって高さ数十メートルの白色凝灰岩の岸壁が続く。干潮時にだけその側を歩いて散策することができる。今も波と風雨の浸食でその形状を少しずつ変え続けているという。こういう火山活動による白壁の地層が見られるのは、沖縄でもここ粟国島だけだという。(つづく) ※この記事はTHE PAGEの写真家・倉谷清文さんの「フォト・ジャーナル<島の大自然がおもてなし沖縄・粟国島>倉谷清文第12回」の一部を抜粋しました。 (2018年8月撮影・文:倉谷清文)