京都の競輪場で整備予定の「京都アリーナ」巡り住民賛否
京都府は、京都向日町競輪場(京都府向日市)の敷地内で進める京都アリーナ(仮称)の整備計画について、向日市内で住民説明会を行った。参加者からは住環境や交通渋滞への影響といった不安の声が上がったが、整備に期待を寄せる住民も少なくなく、賛否が分かれた。 京都アリーナは、可動式を含めて8千席以上の観客席を設け、令和10(2028)年10月の完成を目指している。府内では1万人規模のアリーナがなく、府は国際的なスポーツ大会やイベントが開催できる大規模アリーナの新設を模索し、整備場所として京都向日町競輪場を選んだ。 向日市での説明会では、参加者から「近くに小学校や保育所があり不安」「(道路が狭く)緊急時に消防などは迅速に出動できるのか」といった声が相次いだ。これに対して府側は「(アリーナへの)アクセスルートの分散化や案内も含め、渋滞対策にしっかり取り組む」と説明した。 一方、アリーナの整備で競輪場が抱かれるイメージを払拭させ、「数十年後にアリーナができてよかったといえるようにして」と求める住民もいた。説明会で寄せられた声を整備計画などに反映させることを要望する参加者もいた。 終了後、角田幸総(よしふさ)・府文化施設政策監は「住民の意見を反映して、地域活性化に貢献するものにしたい」と話した。(田中幸美)