一軍未登板も高橋宏斗、山下舜平大超える逸材? 他球団から「見たことがない球質」
あえて高卒プロを目指して
規格外のポテンシャルに肉体が追いついていない点は、令和の怪物・佐々木朗希(ロッテ)と重なる。八王子学園八王子高で2年の秋季大会中に左肘の骨膜炎を発症。3年の春季大会は「20球以内、変化球も制限」という制限の下で登板したが、最後の夏は左肘の骨髄浮腫で1球も投げられなかった。西東京大会5回戦・狛江高戦に1点差を追いかける9回裏二死一、二塁で代打出場したが、中直に倒れて最後の打者に。勝ち上がれば準々決勝以降で登板の予定があったが、幻に終わった。 進路が注目される中、プロ志望届を提出。基本的な方向性を決めた2年秋がターニングポイントだったという。安藤徳明監督は「ケガが多く、指導者側としても『大事に育てよう』『将来があるから』と慎重になる。でも、本人もどこか、甘い部分があった。進路に際しても、大学を経由して、社会人など漠然とした目標に過ぎない。ここであえて、高卒でプロを目指さないかと、言いました。当然、人並み以上の努力をしないといけない。そこで、羽田に物足りなかった厳しさ、自覚が出てきたと思います」と週刊ベースボールの取材で語っている。
次世代のエースに
ドラフト4位で入団した西武とは深い縁で結ばれている。羽田は埼玉県所沢市出身。本拠地のベルーナドームは車で20分以内の近所で、小さいころから西武の応援で球場に足を運んでいた。小学校時代はライオンズジュニアに選出され、背番号は「18」。西武の次世代のエースにふさわしい左腕だ。 先発陣は高橋光成、平良海馬、今井達也、隅田知一郎、松本航のほか、2022年に2ケタ勝利をマークした與座海人、本格派右腕の渡邉勇太朗、ドラフト1位左腕の武内夏暉と質・量ともに12球団トップクラスだ。先発ローテーションを勝ち取るためには、まだまだ課題をクリアする必要があるが、一軍デビューを飾ったときに、どんな投球を見せてくれるか。V奪回に向け、「秘密兵器」になるかもしれない。 写真=BBM
週刊ベースボール