新型コロナウイルス「これまで起きたこと」時系列で振り返る
■政府の対策方針~大規模イベント自粛、一斉休校
日本国内で市中感染の懸念が強まり始めたこの頃から、新型コロナウイルスに対する具体的な方針や対策を政府に求める声が強まってきます。 新型コロナウイルス対策を医学的な見地から政府に助言する専門家会議の初会合が2月16日に開かれ、厚労省は17日に相談・受診する際の「目安」を公表しました。「帰国者・接触者相談センター」に相談する際の基準として「風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く」症状などを挙げました。 多くの人が集まるイベントの開催について、自粛を含めてどう対応すべきかの議論も浮上し、21日には東京都の小池百合子知事が、都が主催する大規模で飲食を伴う屋内イベントを3週間、原則中止か延期すると発表しました。 週が明けた24日には専門家会議が新型コロナウイルス対策の基本方針の具体化に向けた「見解」を公表。それを踏まえて、政府は25日に対策基本方針を取りまとめ、加藤勝信厚労相が公表しました。症状が軽い人は自宅療養を原則としたほか、「全国一律のイベント自粛要請はしない」との政府方針に関して「患者集団が確認された地域では自粛の検討要請もあり得る」と記しました。 そんな中、北海道の鈴木直道知事が26日の会見で、27日から3月4日まで道内の小中学校を臨時休校する方針を明らかにしました。同知事は28日には独自の“緊急事態宣言”を打ち出し、週末の外出自粛を道民に呼びかけました。
25日にいったんは対策基本方針を発表した政府でしたが、ここから大きく政策を転換します。安倍晋三首相が26日、全国的なスポーツ、文化イベントを「今後2週間は中止、延期、または規模を縮小する」対応を要請。さらに翌27日には全国すべての小中高校などを3月2日から春休みまでの間、臨時休校するよう要請したのです。 これらの要請はさまざまな波紋を広げました。イベント自粛要請では、26日夜に予定されていた人気グループのEXILEやPerfumeなどのライブが当日になって急きょ中止に。一斉休校要請では、突然の発表に困惑する働く女性や学校関係者らの声がSNS上などにあふれ返りました。 安倍首相は2月29日に官邸で記者会見を開き、政府の対策について理解を求めました。「これから1、2週間が、急速な拡大に進むか、終息できるかの瀬戸際となる。こうした専門家の皆さんの意見を踏まえれば、今からの2週間程度、国内の感染拡大を防止するため、あらゆる手を尽くすべきである」。これが新型コロナウイルス対策をめぐる初めての首相会見でした。 政府が対策基本方針を公表した25日には、厚生労働省の「クラスター対策班」が立ち上げられました。感染の流行を早期に終息させるため、患者集団(クラスター)が次のクラスターを生み出すことを防止することを目指し、自治体と連携して集中的な対策を取るものでした。 大阪府では、2月中旬に市内4つのライブハウスで行われたライブの参加者に感染が相次ぎ、吉村洋文知事が29日に参加者に対してPCR検査受信の相談を呼びかけました。さらに3月2日にはクラスター対策班が大阪に派遣されました。