新型コロナウイルス「これまで起きたこと」時系列で振り返る
中国内の感染拡大を受け、中国当局は1月23日から武漢市を「都市封鎖」しました。しかし、その前に約500万人がすでに帰省や旅行で武漢を出ていたと武漢市長が明らかにしたと伝えられています。 中国では1月24日から30日まで、春節(旧正月)の大型連休に突入しました(その後、2月2日まで延長)。春節の連休には近年、中国から多くの観光客が日本を訪れています。 安倍晋三首相は31日に開かれた政府の新型コロナウイルス感染症対策本部の第3回会合で、水際対策を強化するため、武漢市がある中国湖北省の滞在歴のある外国人を2月1日から入国拒否すると発表しました。 この頃の感染拡大は中国が中心で、1月29日には武漢市などからの帰国者を乗せた日本政府チャーター便の第1便が成田空港に到着しました。
■ダイヤモンド・プリンセス号~市中感染拡大へ
新型コロナウイルスに対する報道が一気に増えたのは、1月28日に日本人の初感染が発表されてからでした。武漢市への渡航歴のないバス運転手の男性で、武漢から来たツアー客を乗せて、東京・大阪間を往復していました。翌29日にはこのバスに同乗していた女性バスガイドの感染も確認されました。これらの感染例について、厚労省は30日になって「人・人」感染が認められると明らかにしました。 また、この頃からマスクがコンビニやドラッグストアから徐々に姿を消すようになります。
日本にとって、新型コロナウイルス対策で最初の大きな試練となったのは、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス(DP)」号での集団感染の発生でした。 国立感染症研究所のレポートによると、DP号(乗客2666人、乗員1045人)は1月20日に横浜港を出発し、鹿児島、香港、ベトナム、台湾、沖縄に立ち寄った後、2月3日に横浜港に帰港しました。その途中、1月25日に香港で下船した乗客が新型コロナウイルスに感染していたことが2月1日に判明したため、日本政府はDP号の下船を認めず、5日から洋上で2週間の検疫を始めました。陽性者は神奈川県をはじめとする医療機関に搬送され、入院措置がとられました。その間、船内の感染症対策の不十分さが指摘されたほか、2週間の健康観察期間を経て下船した乗客が陽性診断される事例が問題となりました。最終的に、DP号での感染者は計712人(うち死者は13人)に上りました。 DP号の洋上隔離が行われている最中の13日、国内で初の死者が確認されました。さらに中国渡航歴がなく、感染経路の不明な感染者が相次いで報告され、いよいよ「市中感染」が現実味を帯びてきました。 翌14日には、前日に感染が確認されたタクシー運転手の男性が1月に開かれた屋形船での新年会に参加していたことを東京都が明らかにしました。都は関係者など「約100人が濃厚接触者にあたる」として検査を進めました。