【1年間、お疲れ様でした!】ニュースで振り返る2024年の日本
【産業】
半導体の受託製造で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は2月、熊本県菊陽町に建設した日本国内初の工場で開所式を行った。同工場は年内稼働の予定。隣接地に第2工場の建設も決まり、25年3月までに着工予定。 米USスチールは4月の臨時株主総会で、日本製鉄による141億ドル(約2兆1600億円)規模の買収計画の受け入れを可決。一方、全米鉄鋼労働組合が反対声明を出すなど、米国内で反発が広がった。米政府の対米外国投資委員会が、安全保障上のリスクに関する審査を進めたが、結論をバイデン大統領の判断に一任することとなった。 トヨタ自動車が5月、2024年3月期決算を発表。本業のもうけを示す営業利益が5兆3529億円と、日本企業で初めて5兆円を超えた。ハイブリッド車の販売好調に加え、円安が追い風となった。 日産自動車は11月、世界の生産能力を20%削減し、全体の1割弱に当たる9000人規模の人員削減計画を発表した。米国や中国で競合メーカーとの販売競争が激化し、採算が悪化したことが要因。提携先である三菱自動車の持ち株34%のうち10%を売却する。 ホンダと日産自動車が12月、経営統合に向け協議入り。将来的に三菱自動車が合流することも検討する。3社が統合すれば販売台数が800万台を超え、世界3位の自動車メーカーとなる。
【社会・スポーツ】
1月1日夕、石川県能登地方を震源とするマグニチュード7.6の地震が発生。同県輪島市と志賀(しか)町で震度7を観測した。日本海沿岸の広範囲に津波が襲来し、各地で土砂災害と火災、液状化、家屋倒壊、道路など交通網の寸断が発生し、甚大な被害をもたらした。石川、新潟、富山3県での死者は11月現在、447人(うち関連死220人)。9月21日から23日にかけては能登半島を豪雨が遅い、河川の氾濫や土砂災害で15人が死亡した。 小林製薬が製造した紅麹を原料としたサプリメントを摂取した消費者が、体調を崩す事案が相次いでいることが3月に発覚。サプリとの関連が疑われる死亡例も指摘された。厚生労働省は9月、原料から検出された青カビ由来の「プベルル酸」が腎障害を引き起こしていたと発表した。小林製薬は7月、臨時取締役会で小林一雅会長と小林章浩社長の引責辞任を決めた。 最高裁大法廷は7月3日、旧優生保護法の下で障害などを理由に不妊手術を強制された人たちが国に損害賠償を求めた裁判で、旧法を違憲とし賠償を命じる判決を出した。15人の裁判官全員一致の判断。 宮崎県沖を震源とする最大震度6弱の地震(マグニチュード7.1)が8月8日に発生。気象庁は初の南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」を発表。15日に解除されたが、夏休みの行楽や旅行の人出に影響が出た。 パリ五輪(7月26日~8月11日)で、日本選手団は金20、銀12、銅13のメダルを獲得。メダルの総数で、海外で開かれた五輪として過去最多を更新した。陸上女子やり投げの北口榛花選手は今大会、フィールド種目では日本女子選手で初のメダルとなる金メダルを獲得した。 8月に地震や台風が重なり、また新米への端境期にあたったことなどが要因となり、8月中旬から9月下旬にかけて都市部のスーパーなどでコメが品薄となった。価格も高騰し、23年には5キロ2000円台だった小売価格が、3000円台で高止まりしている。 東京電力は8月、福島第1原発事故で溶け落ちた燃料デブリの試験的取り出し作業に着手。11月7日、作業を完了し、0.7グラムのデブリを回収したと発表した。 静岡地裁が9月26日、1966年に発生した強盗殺人事件で80年に死刑が確定した袴田巌さんの再審裁判で、袴田さんに無罪判決を言い渡し、捜査機関による証拠の捏造(ねつぞう)を認定した。畝本直美検事総長は10月8日、控訴断念を表明し、9日に無罪が確定した。 ノルウェーのノーベル委員会は10月11日、2024年の平和賞に日本被団協を選んだと発表。核兵器のない世界を実現するための努力と、核兵器が二度と使用されてはならないことを証言によって示してきたことを授賞理由に挙げた。授賞式は12月10日にオスロであり、田中熙巳(てるみ)代表委員は受賞演説で「人類が核兵器で自滅することのないよう」「核兵器をなくしていくためにどうしたらいいか、世界中のみなさんで共に話し合い、求めていただきたい」と訴えた。 米大リーグ(MLB)のプロ野球選手、大谷翔平は24年シーズン、ナ・リーグの強豪ロサンゼルス・ドジャースに移籍。右ひじの手術から復帰し、指名打者に専念した。MLB初の「1シーズン50本塁打、50盗塁」を達成し、本塁打王と打点王の2冠を獲得した。ドジャースはワールドシリーズを制覇し、自身は2年連続3度目の最優秀選手(MVP)を受賞。大谷の活躍に日本中が沸いた。