脳の機能上硬くなりがちな<背中と腰>のカンタン運動法。専門家「背骨が柔らかくなるのはいいことづくめ」
厚生労働省によると、柔整師が手がける施術所(整骨院)は2018年末時点で約5万カ所となり、10年間で約1.4倍に増えたそう。現代社会で、それだけ体の悩みを抱える人が多いことの表れと思われますが、「疲れにくい体づくり」の専門家でパーソナルトレーナー・坂村純子さんによれば「従来の筋トレやストレッチは逆効果になることも。それより体の構造を正しく知って力みを取ることが大事」だそう。坂村さんの新刊『オトナ女子の「やっかいな疲れ」がとれる大全』より実践的な対策を紹介します。 【書影】若い頃には感じなかった疲れや不調が「快調な毎日」に!『オトナ女子の「やっかいな疲れ」がとれる大全』 * * * * * * * ◆背骨を柔らかくしたら「疲れ」「腰痛」 知らず! ご存知の通り、人間は脊椎動物です。 背骨は一本の硬い骨ではなく、椎骨(ついこつ)という小さい骨が集まって構成され、椎骨一つひとつの動きが連動してさまざまな動きができるようになり、体の動きやバランスを支える大切な骨格です。 ところでそもそも背骨の役割とは何でしょう? それは、 ●体を支える ●体を動かす ●神経の保護 この三つが背骨の大切な役割です。 背骨は前から見ると真っすぐに見えますが、横から見るとゆるやかにカーブしてますよね。 このカーブが、実はとても大切で、立っているときや座っているときに、上体の重さを支えたり、前後左右に上体を曲げたり伸ばしたりといった動作を可能にしています。
◆自律神経の乱れにも影響する「背骨」の役割とは それから、歩くときに生じる上下運動の衝撃を吸収し、脳にその衝撃を与えないようにする働きも持っています。 つまり、三つの背骨の役割以外にもう一つ、「体への衝撃を吸収する」という働きがあります。 でもこの働きは、背骨の柔軟性がないとうまく機能しません。 また、背骨が硬いと自律神経が乱れて呼吸も浅くなってしまいます。 呼吸が浅くなると、交感神経が優位になって体が緊張状態になるため、疲れやすくなり腰にも負担がかかりやすくなります。 背中や腰は脳にとっては最も認識しづらい場所であるだけに、脳内のボディマップ(身体地図)が不鮮明になって硬くなりがちです。 足りていない刺激を補う意味で、背中を柔らかくしていくことが、最も簡単で効果的。 それには体をひねることが有効です。 そこでこういった柔軟性を定着させるためにも、背骨の動きをよくするための運動をこれからご紹介していきましょう。 そこでこういった柔軟性を定着させるためにも、背骨の動きをよくするための運動をこれからご紹介していきましょう。
◆仰向けから脚だけを使ってひねる「ひねり運動」 図の1から5の過程を、できる限り上半身の動きに意識が介入しないようにやってみてください。 ポイントは、脊椎を一つずつ動かす意識を大切にすること。 極力、勢いをつけずゆっくりと脊椎を意識しながら。 <まとめ> 〇椎骨(ついこつ)は体の動きやバランスを支える重要な骨格 〇背骨は歩くときの衝撃を吸収する役割を持っている 〇背骨が固いと自律神経が乱れ呼吸も浅くなりがちに ※本稿は『オトナ女子の「やっかいな疲れ」がとれる大全』(大和出版)の一部を再編集したものです。
坂村純子