チームワークでコブラも撃退、でも上空の飛行機はとても苦手な砂漠の「キャット」
アフリカのサハラ以南の草原地帯に暮らすマングースの仲間、ミーアキャット
ミーアキャットは、数家族単位の大きな群れを作って暮らすマングースの仲間だ。彼らは生息域であるアフリカの草原地帯で、うしろ足で立ち上がり周囲を警戒する。母親は立ったまま子どもに乳を与えることもある。彼らの結束は固く、ときには集団で協力してコブラのような強敵も退ける。 【動画】コブラを見事に退けるミーアキャットたち グループ内の数匹は常に上空を見張り、鷲や鷹などの猛禽類に注意を払う。見張り役が出す鋭く甲高い音が退避の合図だ。 通常は数匹の個体がグループを見守り、残りはエサをあわただしく摂取する。昆虫やトカゲ、サソリ、鳥、果実をエサとするが、小型の鳥を捕えるときは、ゴロゴロとノドを鳴らす音でコミュニケーションをと取りながら協力して狩りを行う。ミーアキャットは狩りが上手く、齧歯(げっし)動物の捕獲のために人工飼育されることもある。 ミーアキャットの群れは複数の巣穴を利用し、それぞれを行き来する。巣穴はトンネルと部屋が連なる大規模な構造となっており、アフリカの灼熱の下でも涼しさを保っている。 メスは、巣穴で年に1度、2~4匹の子どもを産む。オスや若いミーアキャットが育児を助け、遊び方やエサの探しかた、常に上空にある危険への警戒の仕方を教える。若いミーアキャットは天敵である鳥を非常に怖がるため、飛行機が上空を飛んでも恐れをなして逃げ出してしまう。
ナショナル ジオグラフィック 日本版編集部