【スナイパーの語源】初めて知った人が続出。国立科学博物館の「鳥展」で明かされた真相とは?
600点以上の標本が集結する特別展「鳥」(通称:鳥展)が、東京・上野の国立科学博物館で11月2日から開催中です。 【画像を見る】これが「スナイパー」の語源となったタシギだ!「焼鳥の王者」と呼ばれることも 動物園で大人気のハシビロコウから、愛らしい姿で知られるシマエナガなど数々の標本が展示されていますが、それほど有名でない鳥に関する展示がSNSで突如として脚光を浴びました。
一見地味なタシギがSNSで大きな話題に
それが「タシギ」です。 サントリーの「日本の鳥百科」によると、全長27cm。真っ直ぐな長いくちばしをもつジシギ(地鴫)の仲間。泥地を好み、水田、蓮田、湿地、池沼畔などにすんでいます。日本では主に冬鳥として本州以南で越冬しているそうです。 茶色っぽい体色で地味な姿をしているタシギが話題となったのは、「鳥展」の剥製標本に以下のような解説がつけられていたからでした。 「『焼鳥の王者』と呼ばれるほど美味しく、フランス料理の食材でもある」 「狙撃者を英語でスナイパーと呼ぶが、タシギ(Snipe)を狙って撃つことが語源とされる」 この解説を来場者が11月3日にX(旧Twitter)で「スナイパーの語源を初めて知った」と紹介すると、この投稿が1万回以上もリポストされるなど、またたく間に拡散。以下のような反響を集めていました。 「そうなのか!?初めて知った…」 「語源も面白いけど今はどれくらい肉が美味いかが気になる」 「スナイパーってなんかカッコいい響きがあるような気がしてたけど、『タシギを撃つ人』だったのか」 劇画『ゴルゴ13』シリーズの主人公の活躍でも知られる「スナイパー」という言葉。警察や軍隊などで、標的から長距離を隔てて銃などで狙撃を行う人物のことを指します。 鳥の名に基づいていたとは、確かに意外な由来ですね!
スナイパーはもともと「タシギを撃ち落とせるほどのハンター」という意味だった
BuzzFeed編集部では「鳥展」で実際に展示を撮影するともに、詳しいスナイパーの由来を国会図書館で調べてみました。 すると、マーティン・ペグラーさんの著書『ミリタリー・スナイパー/見えざる敵の恐怖』(大日本絵画)では、以下のようにスナイパーの語源について書かれていました。 それによると「スナイパー」(sniper)という言葉の使用例は、最も早くて18世紀後半、インド駐在のイギリス人武官らが本国に宛てた手紙の中で確認できるそうです。 「彼らは、勤務の合間におこなう“ラフ・シューティング”すなわち『狩猟地以外での狩猟』のことをより具体的に『スナイプ撃ちに行く』、これを縮めて『スナイピング』に出ると表現している」 「“スナイプ snipe”とはチドリやシギ類のこと、特にタシギ(田鴫)を指す。小型で敏捷な猟鳥で、全身が黒と茶の斑模様というみごとな保護色、めまぐるしい不規則な飛び方を特徴とし、発見するのが難しいうえ、これを仕留めるのはもっと務難しいとされる」 「スナイプを撃ち落とせるほどのハンター(スナイパー)であれば、それは並以上の腕前を持つ射撃の名人と評価された」 こうした経緯で射撃の名人を「スナイパー」と呼ぶようになり、第一次大戦の初期に「射撃に秀でた兵」の呼称として報道機関で使うようになったというのが、スナイパーの語源だったそうです。