家賃5万円の物件を見かけました。「家賃の目安は収入の3分の1」らしいので給与が15万円あれば借りられそうですか?
家賃の目安は、収入の3分の1と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。収入の3分の1を目安にするのであれば、給与が15万円あれば5万円の家賃は妥当な気がします。 しかし、収入によっては、3分の1を家賃に充てると生活が成り立たなくなる場合があるため注意が必要です。本記事では、給与15万円で5万円の家賃を支払えるのかを検証します。 ▼アパートの1階と2階で「家賃」はどれだけ変わる? 1階暮らしのメリット・デメリットも紹介
家賃の目安は手取り収入によって変わる点に注意
家賃は収入の3分の1が目安といわれていますが、手取り収入によっては3分の1を家賃に回すと生活が厳しくなってしまう場合もあります。 手取り収入別に、収入の3分の1を家賃に回した場合に使える月間の生活費を計算してみましょう。
筆者作成 図表1のとおり、手取り収入15万円の方が3分の1を家賃に充てると、残りの生活費は10万円となります。 ◆【単身者の消費支出】住居費を除くと月平均いくらくらい? 10万円で生活ができるのかどうか、総務省統計局の資料から検証していきましょう。 総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編) 2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、単身世帯の消費支出の平均月額は図表2のとおりです。
総務省統計局「家計調査報告(家計収支編) 2023年(令和5年)平均結果の概要」から筆者作成 単身世帯の生活費(消費支出)の平均月額は、約16万7000円です。ただし、住居費は2万3815円となっており、住居費以外の生活費の支出だけで約14万円が必要なことが分かります。 住居費以外の支出を切り詰めれば10万円の生活費で生活するのは可能ではありますが、手取り15万円の給与で5万円の家賃を支払うのはかなりの節約が必要となるといってよいでしょう。 ◆手取り給与と総支給額に注意 家賃を収入の3分の1として計算する場合、総支給額ではなく手取り給与から計算するようにしましょう。 総支給額15万円の場合の手取り給与は約12万円となるため、家賃5万円を支払った残りは7万円と、生活が非常に厳しくなってしまいます。