株式会社りそなホールディングスにどうしてB.LEAGUEのタイトルパートナーになったのか聞いてみた
■「JOIN THE HOPE」に込めた想い
――今回のタイトルパートナー就任に際して、りそなグループとしても「JOIN THE HOPE」という言葉を掲げています。この言葉に込めた思いは? 南 希望や夢を共有して人がつながっていくことで、今まで感じなかったような熱量とか、今まで一人では突破できなかった壁を越えていく力が出てくると思っています。人々が集まり熱量を持って前に進むということは、スポーツだけでなく企業にとっても重要な要素だと思います。誰かのために何かをやり遂げようという思いがなかったら、熱量は長く続かない。今回、Bリーグのみなさんと我々が一緒になって進んでいくという意味も込めて、「JOIN THE HOPE」はとても良い言葉だと思います。 ――“今”というより“未来”に向けてという言葉もいいですよね。 南 顔が上がっていて前が見えるのは大事なことと思います。過去の経験値とか自分たちの土台となる根っこの部分を大事にしつつ、この先に自分たちがどうなりたいのかという目標は持つことは原動力になる。人を動かし、何かを変えていくための力になると思います。 ――そうしたキャッチーな言葉も含め、どこか金融機関らしくない印象も受けます。 南 我々はずっと前から「脱銀行」と言っています。既存の自分たちが持っていた価値観とか、従来の我々が持っている前提みたいなものを超えていこうと考えています。それほど世の中の変化が速いし、お客さまのニーズの変化や多様化、高度化が進んでいく中で、我々自身が過去や固定概念に捉われていては良いものを提供することができないと思っています。
■Bリーグと共に目指す未来とは
――Bリーグとともに目指す将来はどんな世界なのでしょうか。 南 島田チェアマンとお話しをする中でも出てきたのですが、30年来のデフレ、そして今、ようやく少し緩やかなインフレの入り口に立ちつつあるかもしれないですが、やはりバブル崩壊後に日本が辿ってきた現在までの道筋を見ている中で、日本全体の元気が少しなくなってきているのではないかなと思います。 やはり、日本全体が盛り上がらないといけないと思います、そのためにはそれぞれの地域が元気であることが必要です。人口動態のようなものを考えていくと、どうしても色々な意味で各地域の工夫や、新しい起爆剤が必要だと考えていますので、それになり得るコンテンツの一つがスポーツであると思います。 Bリーグは各地域に根が張られており、バスケットボールは競技人口も多く、ファンの皆様も多岐に渡っています。特に若い世代や女性ファンの方々に支えられているというところは我々にとっても魅力的です。それぞれの地域単位で盛り上がって、つながって、バスケットボールというキーワード、感動立国という大きな旗印のもとで一つになり、盛り上がっていくことは非常に素晴らしいことだと思います。我々もサポートさせていただきたいと思いますし、我々のビジネスの変化にもつながっていくとも思います。 もう一つは我々の話になってしまいますが、「従業員が一つのものを見て、もう一度一つになれる」、このような機会が作れるのはスポーツが持つ力だと思っています。 ――Bリーグの今シーズン開幕に際して、具体的に挑戦してみたいことは? 南 やりたいことは色々とありますが、一つの例を挙げますと、りそなグループは2005年から小学生向け金融経済教育を各地で草の根的に実施しており、これから金融教育×バスケットボールという取り組みを考えています。 金融経済教育は日本国民、国益にとってものすごく大事なことだと思いますし、小学生たちがプロバスケットボール選手と会ってゲームを通じて触れ合うことができるのは、子どもたちにとって、印象的な思い出になってくれると考えています。私自身も色々なところで人とお会いして印象に残っていることがあります。出会いも、風景も、その一瞬の一コマではありますが、色々な人たちの道筋を左右するかもしれません。 20周年時点で小学生向け金融経済教育の卒業生が約4万6000人。ついにその卒業生も入社してきました。このこともご縁なんです。私は来年還暦になりますが、この年になり、ようやく運や縁がすごく大事なことであると感じることがありました。島田チェアマンとの出会いもそうです。 我々にとって、りそなショックから20年の昨年はターニングポイントでしたが、その年にお話がなければ、タイトルパートナーはなれなかったと思っています。同じタイミングでたまたまBリーグ様もタイトルパートナーを探されていて、先ほど話したように共鳴できることを感じる、そしてご一緒する機会をいただけたということが大きなご縁だと思っています。このご縁から大きな花を咲かせられるように、これからグループを挙げて一生懸命応援させていただきます。最初は我々も勉強をしながらになりますが、ともに成長できればなと思っています。 ――最後にBリーグファンの方々へ向けてメッセージをお願いします。 南 昨シーズンのBリーグファイナルを観戦させていただいた時に、あの熱量がBリーグを支えているし、各チームはもちろん、選手一人ひとりの原動力になっていると思いました。ぜひ、もっと大きな輪で、Bリーグ、そして地域の活性化、日本を元気にという出発点として、我々も全力でサポートをさせていただきたいと思っています。
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