「早く大人になろうと急がないで。遊んで、遊んで」世界一貧しい大統領から届いた日本の子どもへのメッセージ
シン・スタンダード#3
世界の国ごとの「GDPランキング」と「幸福度ランキング」が驚くほど一致していないのをご存じだろうか。日本でも一番経済が活発なのは東京だが、「都道府県幸福度ランキング(2022年)」で東京は46位だった。いったいなぜなのか? 【画像】約10~20年後には、(2013年にあった職業のうち)約半分の職業はなくなる⁉
ドイツ在住の日本人実業家であり、世界に精通する人気インスタグラマーが48例に及ぶ世界のシン常識をまとめた初の著書『シン・スタンダード』より一部抜粋、再構成してお届けする。
世界一貧しい大統領からの日本の子どもへのメッセージ
「世界一貧しい大統領」として知られるホセ・ムヒカさんと対談をさせてもらった。そのホセ・ムヒカさんからの、日本の子どもたちへのメッセージが次の通り。 〝日本にいる子どもたちよ。君たちは今、人生で最も幸せな時間にいる。経済的に価値のある人材となるための勉強ばかりして、早く大人になろうと急がないで。遊んで、遊んで、子どもでいる幸せを味わっておくれ。〟 日本全国を講演で回っていて、毎日子どもたちと逢うけれど、ビックリするのは、今の小学生は本当に〝忙しそうだ〟ということ。 国立教育政策研究所の調査によると、現在の小学生(第6学年)の「2人に1人」が塾に通っているという。塾に通っている理由で最も多いのは「受験のため」だそうだ。 小学生というかけがえのない子どもの時間を、遊ぶこともせず、学力の高い中学校に入るための勉強に費やす。無事に学力の高い中学校に入れたなら、次は学力の高い高校に入るための勉強が待っている。 無事に学力の高い高校に入れたなら、次は学力の高い大学に入るための勉強が待っている。無事に学力の高い大学に入れたなら、次は安定した会社に入るための試練が待っている。無事に安定した会社に入れたなら、次は出世のための競争が待っている。 そうして定年までを勤めあげ、敷かれたレールから落ちないことだけに必死だった人生に、やっと自由が訪れる。 その時にはもう、人生の時間もエネルギーも多くは残っておらず、自分にこう問いかける。 「これが自分の人生だったのか」