世界的写真家集団マグナム・フォトがユニクロと組んだ理由 「ストーリーを届けることを大切にしてきた」
東京・渋谷、国際連合大学前広場。誰でも出入りできる屋外のオープンスペースで、9月21日から3日間、ユニクロと写真家集団マグナム・フォトのコラボレーションによる写真展「GLOBAL PHOTO EXHIBITION - PEACE FOR ALL」が開かれた。
マグナム・フォトは1947年、ロバート・キャパやアンリ・カルティエ=ブレッソンらが設立。世界でもっとも有名で、もっともクリエイティブなドキュメンタリー写真家の集団である。
今回の企画では、ユニクロが2022年より行なっているチャリティーTシャツプロジェクト「ピース・フォー・オール(PEACE FOR ALL)」の新しい取り組みとして、マグナム・フォトが協業。「ピース・フォー・オール」は、Tシャツの販売収益を3つの国際的な人道的支援団体(国連難民高等弁務官事務所 UNHCR、セーブ・ザ・チルドレン、プラン・インターナショナル)に寄付してきたが、その現場にマグナム・フォトの写真家3人がカメラを持って訪れた。
マグナム・フォト会長でもあるクリスティーナ・デ・ミデル氏はベトナムのプラン・インターナショナルへ、前会長でもあるオリヴィア・アーサー氏はルーマニアのセーブ・ザ・チルドレン、そしてリンドグシェ・ソベクワ氏はUNHCRが支援しているエチオピアの難民キャンプへ。写真展では、そこで撮影された支援活動や周辺の人々の暮らしを紹介。またそのうちそれぞれ選りすぐりの1カットをモチーフに新たなチャリティーTシャツを製作した。
「マグナム・フォトにとっても、これは重要なコラボレーションワークになったと思います」とは、アーサー氏の言葉だ。「また、Tシャツを媒体に支援の輪を広げていくアイデアも興味深いですね。Tシャツはいつでも、どこでも、そして誰でも着られる。そして、着るだけでひとつのアクションになる。とても民主的なアプローチです」。今回のコラボレーションの意義や印象的だった現場でのエピソードについて、アーサー氏に話を聞いた。