世界的写真家集団マグナム・フォトがユニクロと組んだ理由 「ストーリーを届けることを大切にしてきた」
ーー写真が、オリヴィアさんと子どもたち、子どもたち同士のコミュニケーションツールにもなったっていうことですね。
アーサー:そうですね。撮影した写真についても、その場でプリントし、スタジオの壁に貼り付けていきました。子どもたちも自分たちが撮られた様子を見られるように。それは、確かにコミュニケーションツールになりましたし、子どもたちが、私が何をしているのかを理解し、そこに自分も参加していること、つまり自分事としてこの撮影を捉えてもらうことにも役立ちました。
ーーそのなかで、特に印象的だったことは?
アーサー:スタジオを作ったスペースは、窓から強い日差しが入る場所だったんですね。その光がスタジオの幕に影を落とす様子を見て、私は“影絵で遊べるんじゃないか”と思ったんです。しかし、周りをみたら、私が教えてあげる前に、すでに子どもたちが影絵で遊んでいて。私も子どもたちも、あの瞬間の同じことを考えていたんです。いい思い出ですね。
「想像する力は
誰からも奪うことはできない」
ーーその影絵で遊んでいる様子を切り取った写真は、今回、Tシャツに使われています。チョウのようなモチーフですが、この写真を選んだ理由は?
アーサー:この写真のモチーフが、どこか自由を象徴しているような気がしたからです。またこのモチーフについては、チョウだという人も、鳥だという人もいます。そうやって、人によって違う捉え方ができる点でも、この写真を気に入っています。
ーーTシャツには、その写真の周りには「imagine」の文字をプリントしています。子どもたちの手書き文字ですか?
アーサー:この言葉ーー「想像する」ということこそ、私が今回、子どもたちに伝えたかったことでした。「どんな困難な状況でも、想像することはできる」ということ。そして「その力を、あなた(子ども)たちから奪うことは、誰にもできない」ということです。実際に、たくさんの子どもたちにこの文字を書いてもらい、アートワークに活かしました。