マイクロソフト対グーグル、クラウドとAIで熾烈な戦い…ウォール街はAI投資のリターンに注目(海外)
マイクロソフトとグーグルは、AIとクラウドの成長を巡る競争が激化する中で予想を上回る収益を上げた。 グーグルの成長はAIの進歩に後押しされており、一方、マイクロソフトにとってAzureは引き続き重要な存在となっている。 両社はAIに多額の投資をしており、投資家たちはそれがリターンにつながるのを待っている。 マイクロソフト(Microsoft)はクラウド・コンピューティングに関してグーグル(Google)をリードしているかもしれないが、この2つのテック大手は依然としてAIの覇権を争っており、その過程で数十億ドル(数千億円)規模の支出を増やしている。 2024年10月29日と30日、この二つの大手テック企業はアナリストの予想を上回る収益を報告した。 グーグル・クラウド(Google Cloud)の収益は前年比35%増の114億ドル(約1兆7100億円)となり、グーグルはAI製品の「加速する成長」がこれを後押ししたと述べた。 Azure(アジュール)を含むマイクロソフトのインテリジェントクラウド部門は、前年比20%増の241億ドル(約3兆6150億円)に達した。 マイクロソフトは10月28日、グーグルがヨーロッパのクラウド規制に影響を与えるために、「影のキャンペーン(shadow campaigns)」を行っていると非難し、両社のクラウド競争を激化させた。これに対してグーグルは、マイクロソフトのクラウドライセンスに関する懸念について、「非常に公に(very public)」してきたとBusiness Insiderに話している。 グーグルがクラウドの成長拡大を報告した一方で、マイクロソフトは引き続きクラウド市場のシェアではグーグルをリードしており、両社とも首位のアマゾンウェブサービス(Amazon Web Services)に次ぐ位置にある。 クラウドはマイクロソフトにとって特に重要な分野だ。Eマーケター(eMARKETER)のシニアディレクターであるジェレミー・ゴールドマン(Jeremy Goldman)は、Azureを「マイクロソフトの成長戦略の要」と見ている。マイクロソフトのクラウド事業は十分な利益を上げているものの、同氏は、前四半期(2024年第2四半期)の「猛烈なペース」からは減速していると指摘する。 フォレスター(Forrester)のプリンシパル・アナリストであるトレイシー・ウー(Tracy Woo)は、「グーグル・クラウドは成長しているが、市場での地位はかなり低い。市場の牽引力という点ではグーグルははるかに遅れをとっている。Azureの規模に少しでも近づくためには、より大きな顧客獲得が必要になるだろう」とBusiness Insiderに話している。