強制徴収に力を入れる日本年金機構…「赤い色の最終通告」を無視した58歳男性に課される、重たすぎるペナルティ【FPが解説】
日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満であれば強制加入となる国民年金。保険料の未納があった場合には日本年金機構から通知が送られてきます。ではそうした通知を無視し続けると……? 国民年金を未納し続けたAさんの事例をもとに、年金の保険料未納の場合のペナルティについて社会保険労務士法人エニシアFP代表の三藤桂子氏が解説します。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
国民年金を未納にすると…
公的年金は、2階建て年金といわれています。日本に住所を有する20歳から60歳の人は、国民年金の第1号から第3号のいずれかに属しています。国民年金の第2号被保険者である会社員や公務員などの人は、上乗せである厚生年金保険に加入し、2階建て部分も受け取ることができます。 国民年金保険料を納付する人は、自営業者やフリーランスの国民年金第1号被保険者。自身で保険料を納付するため、うっかり忘れて未納だったり、「どうせ年金なんか受け取れない」と故意的に未納にする人もいます。 保険料を払わなかった場合、以下のようなことが起きる可能性があります。 ・将来受け取る年金額が減る、もしくはまったく受け取れない可能性もありうる ・保険料未納の人には督促状等が届き、最終的には財産差し押さえとなる 国民年金を未納し続けたAさんに届いた赤い色の封筒とは一体なんでしょうか。
妻との離婚を機に
現在58歳のAさんは、大学卒業後IT企業に入社したものの、スキルを身につけ40歳で独立開業します。厚生年金保険に加入した人が退職した場合、国民年金に加入することになりますが、厚生年金保険のように給与から天引きされるわけではないので、自身で保険料を納付しなければならないのです。 Aさんには、以前勤めていたIT企業で知り合い、職場結婚した配偶者(妻)がいました。独立開業した際、妻も退職し、2人で国民年金に移行。妻が経理や家計を担っていたため、保険料を滞納することなく過ごしていました。 50歳になったころ、妻の両親に介護が必要となり別居することに。その後、経理がおろそかになったことなどが原因となり、夫婦喧嘩が増えました。険悪な関係になったのちに2人が選んだ道は離婚でした。 いままでお金のことは妻に任せきりだったAさん。仕事はなんとかこなしていきますが、家計のことはほったらかしになります。仕事の書類関係はほとんどがメール等で確認できるため、郵便で届くものは放置状態が続いていました。 郵便物の中にあった日本年金機構からのお知らせも放置していたのはいうまでもありません。