自民党・石破元幹事長が記者会見(全文1)入国制限を早く行うべきだった
自民党の石破茂元幹事長が30日午前、東京の外国特派員協会で記者会見を行った。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「自民党・石破元幹事長が会見 安倍政権や東京五輪で何を語る(2020年3月30日)」に対応しております。 【動画】自民党・石破元幹事長が会見 安倍政権や東京五輪で何を語る ◇ ◇
70歳といったら、まだ若い
司会:石破先生、じゃあよろしくお願いします。 石破:こういう機会をいただきました。誠にありがとうございます。自民党首衆議院議員の石破茂であります。おそらく今日の昼のトップニュースは、志村けんさんが亡くなったということだと思いますね。外国のメディアの方はどれぐらいご存じか存じませんが、私が高校生、大学生のころ、本当に大人気で、今も人気を保っておった方です。ご案内かと思いますが、今日は3月の30日なのですが、17日、今から2週間ぐらい前でしょうか。どうも体がだるいな、と。倦怠感っていうんですかね。それで自宅で静養しておったと。19日に呼吸が困難になり、20日に入院し、23日にコロナの陽性が判明して、25日から人工心肺をつけて今日亡くなったと、こういうことであります。 70歳といったら、まだ若いですよね。私、63なんですけど。そして、体がだるいなと思ってから劇的に症状が変化し、人工心肺による治療が行われたにもかかわらず、ごく短い期間で亡くなったと。これがコロナウイルスの恐ろしいところであり、国民はそのことを強く認識することになるだろうと思います。
致死率が意外と高くなりつつある
私は感染症の専門家でもなんでもありませんが、2年前、つまり2018年にジョンズ・ホプキンス大学から極めて興味深い論文が発表されておりました。今度流行する感染症は、症状は軽く、自覚症状すらない人も多いであろう。そうであるが故に、気が付かないままにどんどんと感染を広げる人が出るであろう。致死率が低いために、宿主、ウイルスが寄生している人間、これは死なないと。従ってウイルスが生き続ける環境も維持されるであろう。致死率が低く、症状が軽いというのはいいことのように思えるけれども、それは逆なのだ。このウイルスはどんどん感染し、人類の歴史を変えることになるかもしれない、というふうにその論文には書いてあった。 それと同じことが起こっていたのだが、最近の変化は致死率が意外と高くなりつつあるということではないか。致死率が高くなることと比例して、感染力が強くなりつつあるのではないか。ウイルスの変異というものを軽く見てはいけない。1918年から3年間にかけて世界で大流行したスペインかぜというのがあった。日本でも45万人が死んだ。当時から比べれば、日本の人口は倍以上になっているのであって、今の人口に直せば120万人が死んだ計算になるといわれている。 【1918年 00:11:34】、台湾から帰ってきた大相撲の力士と、第1次世界大戦に参加していた日本の巡洋艦からその感染は始まった。1918年の暮れにいったん収束をするのだが、翌年にはウイルスはおそらく変異を起こして致死率が非常に高くなって、国民の間に広まっていった。ウイルスの存在も確認されていなかったし、特効薬もなかった。1920年に収まったのは、おそらく集団免疫ができたからではないか、といわれている。 当時と比べて医学は格段に進歩した。今回、今後の予測は難しいが、日本における感染がまだアメリカ、ヨーロッパに比べて強くない理由としては、次のようなことが考えられる。日本の衛生水準、そして日本人の衛生意識が極めて高いこと、どんなに経済的に困窮している者でも医療にアクセスできるという医療制度が整っていること、水がきれいで豊富なこと、あるいは医療従事者が非常に勤勉であること、そしてCTスキャンの普及率が極めて高いこと、そのようなことが要因であると考えられる。