日本で2番目に長い川が隔てる茨城県と千葉県……そいつを越える路線バスがマニアックすぎた!!
■電車の駅みたいなバス停
江戸崎には、JR常磐線の土浦駅方面からも、JRバス関東の霞ヶ浦本線でアクセスできる。江戸崎バス停は道路と道路の間に挟まれる形で置かれていて、一方通行方式のバスの通り道・兼乗り場と、その隣に少し大きめな待合所が建っている、交通の要衝的な佇まいだ。 バス待合所を見ると、鉄道のローカル線の古い駅舎とよく似た貫禄のある作りをしていて、「江戸崎駅」のバス停名が掲げられている。レールはないけれど「駅」を名乗っているのが物珍しい。 江戸崎には、過去に鉄道を通す計画だけはあったらしい。ところが着工されず、代わりに当時の国鉄がバス=自動車線を走らせていた。江戸崎が、国鉄自動車霞ヶ浦本線の停車場所として開業したのは1954年2月1日。 国鉄バスの主要停車場所は、自動車線の"駅"の扱いであったため、バスでも○○駅と称していた。現在の江戸崎バス停には、元・国鉄バスの設備がそのまま使われているようで、江戸崎駅と書かれているのは自動車線時代の名残と思って良さそうだ。 ちなみに、ここを出入りしている各バス事業者での停留所名は、国鉄バスの流れを汲むJRバス関東も含めて、現在は「江戸崎」が正式な呼び方になっている。
■桜東バス 江戸崎佐原線に乗る
江戸崎~佐原駅を結ぶ江戸崎佐原線に乗るなら、ある程度の時刻の確認をしておくのが安心。平日1日7本、土休日になると4本にまで減ってしまい、そこそこ難しい。 当日は、土浦からのJRバスに接続している、13:10発の便を狙って現地へ様子を見に行った。出発の5分ほど前に、クリーム地と桜色を組み合わせた、いわゆる桜東バス色の中型路線車が停留所に入ってきた。 車種はいすゞエルガミオ。中扉から乗って前扉から降りる運賃後払い方式で、現金のみの取り扱い。始発でも整理券が発行され、整理券番号「0」が割り振られていた。 この日は江戸崎から乗る他の利用者はいなかった。図らずも低料金のショーファードリブンに化けてしまう状況も、ローカル路線バスでは時々あったりする。バスは家と家との間隔が広く、緑も程よく混ざり合った郊外と田園地帯をバックに進んでいく。