ブラマヨ小杉が指摘された「睡眠時無呼吸症候群」 合併症で突然死することも
睡眠時無呼吸症候群のリスクと予防方法
編集部: 治療せずに放置するとどのようなリスクがありますか? 甲斐沼先生: 睡眠時無呼吸症候群は放置してしまうと血中酸素濃度の低下による動脈硬化や高血圧、脳梗塞などの合併症が発生し、突然死することもあります。 また、合併症を起こさなくとも日中のひどい眠気によって交通事故などを起こす危険もあるため、合併症がないからといって油断は出来ません。睡眠時無呼吸症候群の危険性は合併症だけではないのです。 編集部: 早期発見のポイントが知りたいです。 甲斐沼先生: 睡眠時無呼吸症候群の早期発見のポイントとして以下の4つが挙げられます。 ・大きないびき ・日中のひどい眠気 ・夜間に何度も目が覚める ・集中力の低下 大きないびきは気道が閉塞している証拠です。同居している家族や配偶者などから指摘された際には睡眠時無呼吸症候群を疑いましょう。日中のひどい眠気や集中力の低下は夜間に何度も目が覚めることによる慢性的な睡眠不足が原因です。 呼吸が止まることによって意識が覚醒し、これを繰り返すことによって睡眠不足となるのです。前述したように大きな事故につながるケースもあるため、これらのポイントが自分に当てはまるようであれば速やかに医療機関を受診しましょう。 編集部: 睡眠時無呼吸症候群の予防方法を教えてください。 ・肥満の解消 ・適度な飲酒 ・禁煙 ・鼻から呼吸する ・睡眠薬の服用を控える ・横向きに寝る 睡眠時無呼吸症候群の原因として気道の閉塞があります。睡眠時無呼吸症候群の予防のためにはこの気道の閉塞を防ぐ必要があるのです。肥満は脂肪によって気道を狭め、過度なアルコールや喫煙、睡眠薬などは上気道に悪影響を及ぼします。 そのため、適度な運動や生活習慣の改善などが睡眠時無呼吸症候群の予防に効果的であるとされているのです。また、横向きに鼻呼吸を意識すると気道の閉塞を防ぐことができます。 編集部: 最後に、読者へメッセージをお願いします。 甲斐沼先生: 「たかがいびき」と軽く見られがちな睡眠時無呼吸症候群ですが、実際は脳梗塞や突然死などの原因にもなりうる危険な病気です。放置すればするほど改善が難しくなり、命の危険にさらされます。 早期発見が重症化の分かれ道になるといっても過言ではないため、いびきや高頻度の夜間の覚醒による慢性的な睡眠不足がみられた際には医療機関にて検査を受けることをおすすめします。 「たかがいびき、されどいびき」という認識で大きないびきはもちろんのこと、日中にひどい眠気などの症状が出てきたら耳鼻咽喉科など適切な専門医療機関を受診しましょう。